2019 Fiscal Year Annual Research Report
Exploratory Research on the Reception of Old Norse Mythology in Japanese Manga Media
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17K18482
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
伊藤 盡 信州大学, 学術研究院人文科学系, 教授 (80338011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 涼 福井県立大学, 学術教養センター, 講師 (40733150)
杉本 B.Jessica 龍谷大学, 国際学部, 准教授 (60434750)
井口 篤 慶應義塾大学, 文学部(日吉), 准教授 (80647983)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 北欧神話研究 / マンガ研究 / 受容研究 / データベース |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の実績は国外の大学講演3件。シンポジウムを国外(アイスランド大学人文学部日本語学科との共同開催)1件。国内(立命館大学及び立教大学文学部での開催)2件。国際学会での発表2件。論文国内1件。国外での出版社Brepolsから出版準備中の論文4件である。 本研究の目的であったデータベースでは、マンガ作品数は47に及び、画像データは300件を超えている資料が収集できた。更に、本研究の当初には研究範囲から漏れていたアニメ作品での画像データも6作品以上に及び、今後の研究の発展する方向性が確認できた。 以上の講演、シンポジウム、研究発表、論文によって、マンガにおける北欧神話受容には3つないし4つのタイプが存在することが明らかにされた。これらは欧米における北欧神話のマンガ (comics) での受容とは明らかに異なった側面であり、西欧キリスト教の文化的背景を持たない日本独自の北欧神話へのアプローチを反映したものと分析している。此個々の作品分析はまだ始まったばかりであるが、データベースによっていくつかの問題点が明らかになってきている。視覚芸術・視覚表現としてのマンガは,ディフォルメされた人物描写の中で、北欧神話とは異なる文脈でマンガのストーリーの中に組み込まれていても、最終的には北欧神話的な文脈に置き換えられる事例が確認できた。この意味については今後の作家研究に委ねられるであろう。 この研究によって、日本の漫画における北欧神話の受容についての情報が世界に発信され、西欧の伝統文化とは本来縁のなかった極東の島国での北欧神話の受容が如何にバラエティーに富んだものであるかを視覚的に欧米の研究者に知らしめることになったことは意義深いことであった。現在も更新を続けているマンガの画像データベースを広く世界中の研究者の要に沿わせるためにはインターフェイスの改良と、随時更新が必要である。
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Research Products
(7 results)