2022 Fiscal Year Annual Research Report
The End of the Cold War and the Eurasian Border, Environment and Society: Inter-Disciplinary Study toward Developing the Global Comparative Theory
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17K18531
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Research Institution | Kyushu International University |
Principal Investigator |
花松 泰倫 九州国際大学, 法学部, 教授 (50533197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
地田 徹朗 名古屋外国語大学, 世界共生学部, 准教授 (10612012)
浅田 晴久 奈良女子大学, 人文科学系, 准教授 (20713051)
柳澤 雅之 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 准教授 (80314269)
大西 健夫 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (70391638)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2023-03-31
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Keywords | ボーダー / 境域 / 行政的境界 / 地理的境界 / 社会的境界 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ユーラシア各地の「境界(border)」と境域(borderland)の「環境」および「社会」がいかに変容してきたのか、そのプロセスと内容および三者間の相互関係について学際的・分野横断的な研究・議論を行うことを目的とした研究である。ナショナルボーダー、環境ボーダー、社会ボーダーの三者間の「ずれ」の実態と背景を明らかにするため、中露国境地域、中央アジア諸国、インド・アッサム地方などの南アジア地域、ベトナム・ホーチミンなど東南アジア地域、五島や稚内など日本国内の国境地域における現地調査、リモートセンシング作業のための衛星画像データ分析などを行い、学会発表、単行本出版、査読論文発表、教科書執筆等の成果を上げた。その結果、すべてのフィールドに共通する特徴として、冷戦終焉前後でのボーダーの可視化(境界化)が起きており、境域の人びとも多孔性を利用した見えないボーダーよりも可視化されたボーダーを利用するように生活戦略が変わってきていることが指摘された。他方で、自然的境界に沿って引かれたナショナルボーダー(国境)を越境する形で社会的および政治的活動を行われるがゆえに透過性の高いボーダーになりがちな地域がある一方で、自然(環境)ボーダー、社会ボーダーとナショナルボーダーをすべて一致させようとするウェストファリア的なボーダーもあり、ボーダーの引き方および運用に関する性質のパターンを理論的に整理する必要があること、さらには、国家や大国の影響をすり抜けるような境域社会での生活戦略が存在する一方で、大国の行為による境域への影響は避けて通れない側面もあり、マルチスケールな主体による境域社会への影響をどう捉えるかが今後の課題になることが確認された。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、三度の研究期間延長にも関わらず十分な現地調査が行えなかった点は付記したい。
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Research Products
(22 results)