2018 Fiscal Year Research-status Report
Socio-economic indicators of areas close to military bases: An empirical study of Okinawa
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17K18550
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
安部 由起子 北海道大学, 経済学研究院, 教授 (50264742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 新吾 広島大学, 国際協力研究科, 准教授 (70445899)
獺口 浩一 琉球大学, 国際地域創造学部, 教授 (80398312)
高橋 アナマリア 神戸大学, 経済学研究科, 特任講師 (00634635)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 軍事基地 / シングルマザー |
Outline of Annual Research Achievements |
1990年~2010年の国勢調査のデータを整備し、市町村別のシングルマザー人口の統計を整備した。また、世帯数のうえでシングルマザー世帯をとらえることと同時に、市町村にいる子どもの中のどれだけの割合がシングルマザーに育てられているか、という指標も作成した。そしてこのことを地図上に表示し、シングルマザーの比率に地域差が大きいことを確認した。さらに、市町村に米軍基地(陸軍・海軍・海兵隊・空軍別に)・自衛隊基地(陸上・海上・航空別に)が存在しているかどうかのデータを整備した。これにより、軍事基地のある市町村でシングルマザーが多いのかどうか、また、基地の属性の影響はどれだけか、を検証することが可能になった。この結果、シングルマザーの比率は、沖縄の米軍基地のある市町村で高いこと、自衛隊基地のある市町村ではシングルマザー比率は基地のない市町村よりも若干だけ高いことがわかった。また、1990年と2010年を比較すると、1990年には沖縄の米軍基地の影響は大きかったが、この20年の間に基地のない市町村でシングルマザーがより大幅に増えた結果、基地の影響は近年になるほど小幅になっていることがわかった。しかし、日本の国勢調査では、外国軍隊に属する世帯員がいる世帯は、調査対象から外れている。なので、米軍人が所属する世帯は調査されておらず、米軍人が所属する世帯の子どもは、市町村に居住する子どもの数に含まれないことになる。このことが、子どもに占めるシングルマザーに育てられている子どもの割合の数値にどのような影響を与えうるか、とりわけ、米軍基地の影響を過大に推計する可能性がないかどうか、検討が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
市町村合併を考慮したデータ整備に時間がかかった。また、国勢調査は米軍人を含む世帯を調査していないことにかかわる補正をしなくてはならない可能性を当初明確に認識していなかったので、その補正方法を考慮する必要が生じた。また、2018年度には研究代表者が所属する部局の副研究院長を務めており、研究時間を取るのに若干苦労した部分があった。
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Strategy for Future Research Activity |
得られた成果を、研究論文にまとめる。また、研究報告を行ない、フィードバックを得て、研究の深化と改善に役立てる。
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Causes of Carryover |
研究が遅れた部分があったので、研究期間の延長を申請した。研究の進行に伴って必要になってくる旅費や英文校閲等の費用を支出しなかったために、次年度使用額が生じている。2019年度はこれまでの研究成果をまとめ、発信していく計画であるので、次年度使用額もそのために支出する予定である。
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