Outline of Annual Research Achievements |
本研究では, 生涯にわたり成長をするために, 自己調整学習(self-regulated learning: SRL)を越えたフレームワークとしての新しい学習モデルを開発することを目的とする. 自律的学習方法と態度を育成するために, SRLが注目され, 国内外で多くの研究および教育実践が行われているが, SRLは, 基礎的な学習スキルを習得させるというリメディアル的要素が大きい. そのため, ICT活用教育, 一生学び続ける生涯教育を真に享受するための自律性, 継続性, 創造性を, SRLをベースには育成することは難しい. また, 21世紀型スキルや教育のオープン化, インフォーマル学習などの新しい教育の動向に適応するには限界がある. 本研究では, フォーマルとインフォーマルな状況で, 能動的に学び続け, 創造的でイノベーティブに行動する人材育成を可能にする新しい学習モデルの開発に挑戦する. 本研究の成果として, 現在の学習環境に適応した学習モデルを提案し, 生涯学習を享受するための素養を育成するための方向性を示すことができると考える.
2019年度は, これまで整理してきた学習モデル案に対して, 有識者を対象にヒアリングを行った. また, 平成30年度で収集したキャリアレジリエンスや生涯学習に関するデータを分析し, モデルの要素間の構造および既存の学習アセスメントとの関係性などを調査した. これらの結果をベースに, モデルの要素, コンピテンシーおよび行動記述への見直しを行い, コンピテンシーおよびモデルを再構築する準備を行った.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
代表者が産前産後休暇を取得し, これにより, 従来行う予定だった学習モデル案に対する検証が十分に行えず, 研究計画に遅延が生じた.
|
Strategy for Future Research Activity |
2020年度では, これまで整理してきた学習モデル案に対して, その妥当性について更に検証を進める. 具体的には, これまで実施してきた調査をベースに, コンピテンシーおよびモデルを見直し, 再構築する. 改訂版のコンピテンシーとモデルに関して, 国内外の有識者やハイパフォーマーにヒアリングやサーベイを実施し, 新しい学習モデルとしての過不足を確認し再度改訂を行い確定する. 本研究の成果を広く公表するため、国内外の学会での発表や書籍・論文として成果をまとめる。
|
Causes of Carryover |
2019年12月に第2子を出産し, それに伴う子の養育が必要となり, 2019年11月15日から2020年2月12日に産前産後休暇を取得した. これにより, 従来行う予定だった学習モデル案に対する検証が十分に行えず, 研究計画に遅延が生じた. そのため, 補助事業期間を延長した. 2020年度は, 次年度使用額を使用し, 2019年度に予定していたモデル案の検証のため, 有識者などによるヒアリングおよびサーベイ調査を実施する.
|