2018 Fiscal Year Research-status Report
SLA・CV・NLP融合研究としての手話指文字学習システムの開発
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17K18678
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
田中 省作 立命館大学, 文学部, 教授 (00325549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 久平 大分工業高等専門学校, 電気電子工学科, 准教授 (40342589)
長谷川 由美 近畿大学, 生物理工学部, 准教授 (40585220)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 日本手話 / 指文字 / 手指形状 / くずれ |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画に従い,次のようなテーマを重点的に推進した. 1. 初学者を対象とした指文字の表出・読取実験:前年度までに構築した指文字の形状認識システムを活用し,43名の初学者が動きを伴わない指文字41字に対して表出と読取の試験を行い,形状的逸脱や指文字間の混同に関する情報を収集した. 2. 指文字間の表出・読取誤りと形状的類似性の分析:1で取得したデータは指文字間の混同行列として捉えることができる.このような混同の一部は,指文字間の形状的類似性と,いくつかの特徴が抜け落ちることも同時に起こることが主因であると予想された.そこで,1のデータから抜け落ちる特徴の傾向を得,それに基づいた形状的類似性を与える枠組みを与えた.その結果,初学者は掌の向き,手の向き,親指の情報がとくに抜けやすいこと,誤りを考慮した新たな指文字間の新たな形状的類似関係の提示,形状的類似性以外の誤りの原因(指文字学習時の順序と単位)を示唆した. 3. 習熟者を対象とした指文字の連続的表出・読取実験:今年度まで最も困難だった習熟者から指文字の連続的表出や読取に関するデータを取得した.読取では,親密度が高い10語,31字に対して,表出では手指形状が大きく変化する指文字の遷移をなるべく多く含み,なおかつ効率的にカバーするような13語を選定し,9名に対して実験を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最も懸念していた習熟者からのデータ取得は本課題の最も重要な要件の一つである.1のデータとの比較や,崩れ等に関するシステムによる計測は未達であるものの,人の目によって大雑把には分析観点を絞り込めている.
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Strategy for Future Research Activity |
申請書に記載した計画に従って推進する.昨年度の報告であげていた問題点の一つである,データ収集は一定の成果を上げつつあり,その分析を待つのみである.次年度は,そういったデータの分析や,今年度までの成果発表を進めていきたい.
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Causes of Carryover |
被験者実験において想定していたほど謝金が求められなかったこと,実験の性質上,対象となる被験者数が限られていたことによる. 次年度の被験者実験や成果発表に充当する.
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Research Products
(9 results)