Development of hazard perception test for the elderly considering personal characteristics

2019 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 17K18716
• Research Institution: Kansai University of Welfare Sciences
• Principal Investigator: 八田 武志 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (80030469)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 岩原 昭彦 京都女子大学, 発達教育学部, 教授 (30353014) ; 木村 貴彦 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (80379221)
• Project Period (FY): 2017-06-30 – 2021-03-31
• Keywords: 高齢者 / 自動車運転 / ハザード知覚 / 注意機能 / タッチパネル器具

Outline of Annual Research Achievements

高齢者における交通事故対策は、現在の喫緊の社会的課題である。この課題への対策として、高齢者自身にハザード事態の知覚能力を的確フィードバックさせることの重要性が指摘でき、欧米ではその試みが先行している。それはタッチパネルに実装されたビデオ画像でハザード事態を設定し、知覚反応を測定するものであるが、交通事情は文化依存型であるので、本邦独自の検査開発が必要である。
本研究は高齢者自身にハザード事態の知覚能力を的確フィードバックさせるタッチパネルタイプの知覚検査の開発である。具体的にはタッチパネルに実装されたビデオ画像でハザード事態を設定し、知覚反応を測定し、基準以下での運転可否対策への援用可能性を探るのが目的である。この目的のために、タッチパネル装置への刺激場面実装システムの開発、自動車運転時の危険場面の刺激材料の収集と選択、実装後の中高年者での信頼性・妥当性の検証というプロセスをたどる必要がある。
昨年にタッチパネルに実装するシステムの開発作業にを行い、プロトタイプ版を作成した。ハザード事態を実装する前に、タッチパネル型プロトタイプ版の機能のチェックが目的である。パッド型のPC8台に知覚課題（数字抹消課題、Stroop課題）を実装した試作機を用いて、大学付属診療所での健康教室に参加する約40名の高齢者を対象に4名の検査者が実行性を検証した。その結果、画面へのタッチの強弱に大きな個人差があり、強い力をかけた反応では誤作動が起きること、タッチペンでの反応は、使用したペンの特性が反映するのかもしれないが、反応の計測が適切に行えないことなどが明らかとなり、システム制作側との調整を行った。検証を重ねてユーザビリティの改良を行えば、ハザード画面に差し替えることで試作が可能となる段階にある。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

タッチパネル版のプロトタイプ機8台を用い、検査者間のばらつきの検証を兼ねて4名の検査者が大学付属診療所での健康教室に参加する約40名を対象に、ユーザビリティを6月14～15日に検証した。健常大学生6名についても同様の作業を7月前半に実施した。多様な検査対象者でのユーザビリティを検討すること、検査者の特性が影響しない測定結果が得られるかを検討課題とした。その結果、画面へのタッチの強弱に大きな個人差があり、強い力をかけると誤作動が起きること、タッチペンでの反応は使用したペンの特性が反映するのかもしれないが、反応の計測が適切に行えないことなどが明らかとなり、試作機の修正作業に入った。実質的システム開発担当者が6月末に急に退職したために、引継ぎ作業に時間を要した。また、システム会社全般の仕事が増え、システム開発者の人材確保に時間を要したために、修正作業は手間取り、12月以降になって実質的な修正作業が開始できた。そのために、研究期間の延長を申請した。

Strategy for Future Research Activity

システム担当者が確保できたので、プロトタイプ機の修正作業に入っており、12月以降修正箇所の協議・調整を行っている。タッチパネル面での押し方の多様性を考慮し、タッチペンでの反応様式に変更すること、タッチペンはPCにセットされていたものを使用せず、高齢者が簡易に反応可能なタッチペンを探して使用すること、刺激画面の見やすさ（輝度、間隔、フォント）について、試作・検討を数回にわたって3月に実施した。修正版を用いて6月に行われる予定の高齢者対象の健康教室でユーザビリティを再検証する予定である。8月末に予定されている住民検診で400名規模のデータ収集を行い、ユーザビリティ検証を最終とする予定である。

Causes of Carryover

タッチパネル版のプロトタイプ機8台を用い、検査者間のばらつきの検証を兼ねて4名の検査者が大学付属診療所での健康教室に参加する約40名を対象に、ユーザビリティを6月14～15日に検証した。その結果、画面へのタッチの強弱に大きな個人差があり、強い力をかけた反応では誤作動が起きること、タッチペンでの反応は、使用したペンの特性が反映するのかもしれないが、反応の計測が適切に行えないことなどが明らかとなり、試作機の修正作業に入った。
実質的システム開発担当者が6月末に急に退職したために、引継ぎ作業に時間を要した。また、システム会社全般の仕事が増え、システム開発者の人材確保に時間を要したために、修正作業は手間取り、12月以降になって実質的な修正作業を開始した。そのために、研究期間の延長を申請した。修正作業への費用と、ユーザビリティ検証に繰り越した金額を使用する。