2018 Fiscal Year Research-status Report
スケーラブル通信ライブラリを用いた次世代惑星電磁圏連成計算技術の創出
Project/Area Number |
17K18798
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
加藤 雄人 東北大学, 理学研究科, 教授 (60378982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深沢 圭一郎 京都大学, 学術情報メディアセンター, 准教授 (50377868)
南里 豪志 九州大学, 情報基盤研究開発センター, 准教授 (70284578)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | ハイパフォーマンス・コンピューティング / 惑星圏科学 / 超高層物理学 / 計算物理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は【1】強連成計算に向けたマクロ・メソ・ミクロ計算コードの最適化、【2】スケーラブル通信ライブラリACPを用いた「コンダクタ・アプリ」の開発、の2つの課題を中心に進められた。マクロ計算コードとしては惑星磁気圏と太陽風との相互作用を解く磁気流体力学コードを用いる。メソ計算コードとしては、磁気子午面をシミュレーション空間に設定し、磁気圏内でのプラズマ波動の伝搬を解く電子流体コードを用いる。ミクロ計算コードには、磁気赤道周辺でのプラズマ粒子とプラズマ波動との相互作用を解き進める電子ハイブリッドコードを用いる。いずれのコードも、個別の計算で複数の学術論文が出版されている、実績あるコードである。本課題ではこれらのコードをdirect memory accessによるコード間通信で組み合わせて、計算を実施しつつ相互の結果を参照する強連成計算の実現を目的として研究開発を進めた。 平成30年度は課題【1】に関して、前年度に引き続きマクロ・メソ・ミクロ計算コードを用いた強連成計算に向けた取り組みを行った。すなわち、(1)コード間通信で必要となるデータ形式の検討と通信モジュールへの実装、(2)コード間通信に用いるACPライブラリ関数の通信モジュールへの実装、(3)同等のコード間通信機能をMPIで実現した場合の計算コスト差の見積もりと評価、(4)メソ・ミクロ計算コードを用いた強連成計算でのベンチマーク、である。また、【2】に関してはコンダクタ・アプリをMPMD(Multiple Program Multiple Data)を実現するフレームワークとして設計を行い、プロトタイプを構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マクロ・メソ・ミクロ計算コードのコード間通信に必要な情報の整理と、ACPライブラリを用いた通信モジュールの設計、最適化作業は順調に進展している。同等の機能をMPIで実現した場合の計算コストの比較など、実効的な性能の評価も開始している。コンダクタ・アプリの開発検討も当初の計画通りに進められている。研究組織内での議論は円滑に進められており、当初の研究計画に対して順調に進展していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は順調に進展しており、次年度も当初の研究計画に従って研究を遂行する方針である。
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Causes of Carryover |
平成30年度に執行予定であった大型計算機利用料の一部を、平成31年度のコード間通信性能評価のための計算機利用料として使用することとした。
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Research Products
(15 results)