2017 Fiscal Year Research-status Report
Enormous residual stress in ferroelastic ceramics and its application as energy storage materials
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17K18819
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
荒木 稚子 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (40359691)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 強弾性 / ランタン酸化物 / 残留応力 / 自己粉砕 / 破壊 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,ランタンコバルト酸化物LaCoO3を用い,作製条件(成型条件,焼結温度・時間など)が自己粉砕化におよぼす影響,および自己粉砕化の詳細な過程を調べた. 作製したランタンは,試料によって数日~数か月以上かかって自己粉砕化することがわかった.作製条件については,自己粉砕化までかかる時間に影響を与えないことがわかった.一方,X線回折より,焼成粉に残留した微量の酸化ランタンが粉砕化に関連することがわかった.走査型電子顕微鏡観察およびエネルギ分散型X線分析より,酸化ランタンの結晶粒が自己粉砕化(破壊)の起点となっていることが確認された.さらに,意図的に酸化ランタンを微量添加した試料を用いることで,自己粉砕化の制御(粉砕化までの時間や粉砕粒径など)が可能であることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自己粉砕化の主原因がほぼ特定され,自己粉砕化の制御可能であることが示唆される結果が得られているため.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,自己粉砕化と強弾性との関連を明らかにすること,および自己粉砕化の制御を行うこと,さらに,貯蔵された弾性ひずみエネルギの利用法を提案することを目的する. 次年度は,酸化ランタン単体の力学的特性と破壊過程を明らかにした上で,酸化ランタンを添加した強弾性セラミックスの微粉化過程を詳細に追うことで,強弾性との関連を明らかにする.また,添加粉・量を変えることで,自己粉砕化の制御を狙う.
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Causes of Carryover |
温度・湿度制御のための恒温槽の購入を検討していたが,研究の過程で,酸化ランタンの微量残存・添加の影響が大きいことがわかったため,その影響に着目して本年度は研究を進めた.次年度以降,さらなる研究進捗に応じて恒温槽あるいは元素分析機器の購入を検討している.また成果が得られているため,積極的に国内・国際学会発表を行う予定である.
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