2018 Fiscal Year Research-status Report
Mechanics of single crystal shape memory alloy structural elements
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17K18825
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
荒木 慶一 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (50324653)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 形状記憶合金 / 単結晶 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.結晶方位依存性の検討:新しく開発中の銅系(Cu-Al-Mn)形状記憶合金単結晶部材を対象に、弾性剛性や変形回復性能に加え、塑性変形能力と破壊モードに関して、結晶方位依存性を調査した。その結果,特定の結晶方位では極めて高い靭性(100%に近い伸び)を持つことを見出した。また、その原因について考察を行い、国際専門誌に投稿予定の論文原稿を執筆中である。 2.疲労特性の検討:Cu-Al-Mn合金のサイクル熱処理による異常粒成長により、結晶粒径十数ミリのバンブー結晶、サイクル熱処理回数を増やすことで径16mm、長さ100mmの単結晶の棒材を作製し、疲労特性の比較検討を行った。比粒径0.2以下の多結晶は超弾性の初期特性が良好ではないが、比粒径ほぼ2のバンブー結晶と単結晶は良好な超弾性であった。繰返し引張サイクル疲労特性は結晶粒界間の拘束力により生じる転位が影響するため、小さい結晶粒界が集まっている多結晶は疲労特性が最も悪かった。結晶粒界の大きいバンブー結晶は、初期特性は良好であったが、繰返し変形による劣化が促進された。単結晶の劣化因子はほぼ残留マルテンサイト相のため、最も疲労特性が良好という結果が得られた。以上の成果を銅学会で発表し、査読付き論文を投稿し採択された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
単結晶形状記憶合金大型棒材の力学特性の方位依存性を調べるための引張実験と,実験結果を評価するための微細組織分析と破断面観察に想定以上の時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
方位依存性の論文を完成させ、国際専門誌に投稿する。
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Causes of Carryover |
単結晶形状記憶合金大型棒材の力学特性の方位依存性を調べるための引張実験と,実験結果を評価するための微細組織分析と破断面観察に想定以上の時間を要したため。引張実験は既に終了したが,実験後の試験体の微細組織分析と破断面観察は,次年度も継続して実施する必要がある。また,次年度に,これらの研究成果を論文にして取りまとめて投稿する必要がある。
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