2017 Fiscal Year Research-status Report
ダブルパルスフェムト秒レーザーによる透明基板の光トリガー加工に関する研究
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17K18831
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
林 照剛 九州大学, 工学研究院, 准教授 (00334011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒河 周平 九州大学, 工学研究院, 教授 (90243899)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | フェムト秒レーザー / 光励起 / ダブルパルスビーム / 透明材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,省エネルギー化のキーデバイスとなるパワー半導体デバイス製造技術における技術革新を目指し,透明基板材料を,低光子エネルギービームでレーザー加工する技術開発に挑戦する.提案の手法では,高い電界強度を持つ超短パルスレーザー(光トリガービーム)を照射し,透明基板材料表面,また内部を選択的に光励起し,被加工材料の光吸収率を変化させ,光励起効果が持続する期間中にレーザーを再照射し,加工をすることで,レーザー加工効率を向上させる技術の確立とその工業応用を目指す. これまでの研究で,従来,可視光~近赤外光でのレーザー加工が困難とされていた透明基板材料(バンドギャップ値7eV以上)に対して,その表面を波長800nmの近赤外フェムト秒レーザー光で,光励起し,加工することで,従来よりも低照度のビームで透明材料を加工できることを実験的に確認し,提案手法の妥当性を実験的に示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究で,従来,可視光~近赤外光でのレーザー加工が困難とされていた透明基板材料(バンドギャップ値7eV以上)に対して,その表面を波長800nmの近赤外フェムト秒レーザー光で,光励起し,加工することで,従来よりも低照度のビームで透明材料を加工できることを実験的に確認するため,加工表面の加工閾値の変化を,光励起を行う場合と行わない場合について計測し,その計測結果を比較した結果,等量の入射エネルギーに対して,光励起を行う場合のほうが,低ピーク強度のビームで,透明材料が加工できることを確認した.この結果は,研究計画でたてた予想を裏付けており,当初の予定通りの計画進行で,研究を進められていると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
透明材料の光励起加工の工業応用を目指すため,加工現象の詳細な調査をし,加工メカニズムの解明を目指す.具体的には,光励起後の透明材料の光吸収率,反射率の時間分解計測を行い,光励起後の加工材料の加工条件の時間的変化を確認する.透明材料の光吸収率,反射率の計測のため,光励起面の複素屈折率を時間分解計測する.本年度は,複素屈折率の時間分解計測のための分光エリプソメトリーシステムを構築して,表面の屈折率変化を評価し,加工現象との対応関係を調べる.
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