2018 Fiscal Year Annual Research Report
High temperature nanosciences using high energy loss of metallic nanostructures
Project/Area Number |
17K18839
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
矢野 隆章 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (90600651)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮地 輝光 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (40452023)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | ナノフォトニクス / プラズモニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、試料表面上の微小領域における新奇な熱物性を見出し、そのメカニズムを解明することである。本年度は、レーザー照射下における金属薄膜表面の温度を分光学的に計測する手法を開発した。白色光照射下で金属薄膜表面の暗視野顕微分光測定を行い、レーザー照射下におけるプラズモン共鳴波長の変化を観察した結果、数度程度の温度変化を共鳴波長の変化として検出できることが明らかになった。さらに、有機分子を吸着させた貴金属薄膜を用いて同様の測定を行い、さらに同時に試料分子からのラマンスペクトルの測定も行った。試料分子からのラマン散乱のアンチストークス成分とストークス成分の強度比から試料分子の温度を見積もった結果、貴金属薄膜表面の温度と同程度であることがわかった。さらに、照射するレーザー光強度を増大させると、ラマン散乱光強度の減少が観測された。レーザー光照射下において金属ナノ構造の形状やサイズは変化しなかったため、ラマン散乱光強度の変化は金属ナノ構造のプラズモン共鳴波長変化によるものではなく、吸着分子の金属表面からの熱脱離に起因することがわかった。さらに、探針型の金属ナノ構造表面においても同様の実験を行い、探針先端の温度と先端表面からの分子脱離の相関関係を明らかにした。以上の結果から、金属ナノ構造表面の光熱効果の素性と吸着分子との相互作用を分光学的に解明した。今後はナノスケールでの熱物性分析への応用が期待される。
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Research Products
(10 results)