2019 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of vibration phenomenon of point-concentrated parametric speaker and its application to mechanical stimulator for cell culture
Project/Area Number |
17K18848
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
有我 祐一 山形大学, 大学院理工学研究科, 助教 (40372338)
|
Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
|
Keywords | 超音波 / パラメトリックスピーカ |
Outline of Annual Research Achievements |
パラメトリックスピーカは超音波を用いることで鋭い指向性を持たせることが可能となる非線形音響学上の現象を利用したスピーカである.我々はこれを発展させ,スピーカを構成する超音波素子をパラボラアンテナ状に配置し,各素子から発せられた音波が1点に集中することで加振力を発生させることができる点集中型パラメトリックスピーカを開発している.特に,加振周波数を10Hz以下の低周波数とし,それを40kHzの搬送波で変調して発することで,人の耳には聞こえないが低周波数で非接触加振できる点が本研究のオリジナルな点である.本研究ではパラメトリックスピーカの加振力を定量的に評価することを目的とした. パラメトリックスピーカの原理上,マイク等では搬送波(超音波)と加振波(低周波)を分離して計測できない.そこで,樹脂製の丸棒を上部固定点から片持ちはりの状態で設置したものを加振ターゲットとし,それに発せられた音圧を当てて振動させ,変位を2次元ラインスキャン型レーザ変位計で計測することで加振力を評価した.さらに,加振ターゲットとレーザ変位計を同一の台に相対位置が変化しないように配置し,その台を水平および垂直に移動可能な移動機構を用いて焦点付近の領域を微小移動させながら音圧分布をした. 焦距離が40mmと短いスピーカと焦点距離120mmの長焦点のスピーカの焦点付近の音圧分布の計測と発生している加振力の見積もりを行った結果,短焦点のスピーカでは線形音響学に基づく音と物体の連成振動による生じている可能性,また,長焦点のスピーカでは非線形音響学に基づく加振力がそれぞれ発現している可能性が示唆された.また,これはCIP法を用いた数値解析の結果と傾向が一致した.以上の結果から,点集中型パラメトリックスピーカは低周波で非接触加振が可能だが,その焦点距離の長短により現象を支配する物理現象が異なることが明らかになった.
|