2017 Fiscal Year Research-status Report
The multi-scale dynamics in granular flow considering stick-slip phenomena
Project/Area Number |
17K18901
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
前田 健一 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50271648)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | スティック・スリップ / 二重性 / 粒状体 / 波動 / フルード数 / 衝撃力 / 緩衝 / 堆積 |
Outline of Annual Research Achievements |
a)密度分布・応力鎖の可視化実験装置の開発:スティック・スリップと二重性の抽出: 非破壊試験・音響トモグラフィ(JFEシビル)の技術を拡張し、多点高密度の発振面・多点受信面を横切る粒状体を伝達する音を高速計測することで、粒状体の密度と応力鎖の三次元像をほぼリアルタイムで捉えようとする斬新な挑戦のための基礎的な実験を成功させた。これによって、密度分布や粒子骨格構造体として応力鎖の形状、配向などの幾何学的統計量を計測できることが期待される。速度変動は画像解析(PIV)でも求めた。スティック・スリップを原理の異なる方法で観察し、粒子と波動の二重性を抽出した。 b)固・液相の二相相互作用を考慮した数値解析コードの開発: 既開発済の3次元DEMに流体との連成効果を導入し、GPGPU(General Purpose Graphics Processing Unit)を用い計算の効率化を図った。研究の実現可能性が高い。解析結果から、スティック・スリップ現象を浮き彫りにし、機構を解明への足がかりを得た。 c)粒状体のスティック・スリップ流れ・堆積挙動、内部の応力波伝播挙動に及ぼす粒度や粒形、間隙水の有無、河床粗度、傾斜角の影響を検討: 模型実験と数値解析によって実施する。土砂移動の流下・堆積挙動、流れ中に発生する波動は、底面粗度・傾斜角の影響を強く受け、粒子特性の内の粒子形状は粒子間の噛み合わせによる回転抵抗が増加し、応力鎖の安定性に影響することが明らかになった。これらの結果をもとに、応力鎖の発生条件、構造的安定性、消滅などの力学的条件を検討した。応力鎖の不均質な分布および発生・消滅によって生じる波動について観察し、その波速に対する流れの相対速度から粒状体のフルード数を定義するとともに、内部構造を調べることで底面粗度、傾斜角、深度方向の速度分布などの影響を統一的に表現可能であることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
土砂流れの中に現れる波動性・連続性が,開水路の水面形状を決めるメカニズムとよく似ていることが分かってきており,これによって,従来は別のものと考えられて衣いた理論が応用できることがわかったことで,順調に進めることができた。 また,従来から申請者らが蓄積してきた,粒状体中での衝撃力の伝播現象の理解を応用できることも分かった。これによって,順調に進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
■大きな粒子の浮き上がり、分級のメカニズムの解明とスティック・スリップ流れ中の二重性: 乾燥流れでも大きな粒子が浮き上がったり、先端に集まったりする現象がみられる。応力鎖の発生・消滅条件や安定性は、流れ中の流体の特性、摩擦性材料の特性、河床粗度が重要な影響を与えると考えられる。応力鎖のダイナミクスから浮き上がり条件を解明する。 ■応力鎖のダイナミクスと限界状態の概念を取り入れた流れのモデリング:限界状態の正体: 応力鎖という代表的な構造単位の力学特性を記述し、連続体近似を用いることで、粒状体の変形・破壊挙動を記述するモデルを構築する。その際に、スティック・スリップモデル、パーコレーション理論に関連する繰り込み理論を応力鎖の成長過程記述のために導入する。発生した応力鎖がどのように安定して遠方まで成長できるのかを検討するためである。また、粒状体の特徴的な概念で状態を記述するのに有益な限界状態は地盤力学の拠り所の一つである「限界状態」の持つ意味を応力鎖のダイナミクスという視点から考察し、モデル構築をより簡明化する。さらに、粒子法などの連続体数値解析に導入し、実験結果との比較などから提案モデルの検証・修正を行う。砂防分野の被害予測や新対策方法の提案に役立てる。
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