2017 Fiscal Year Research-status Report
高移動度を有するナノポーラス半導体単結晶膜の作製技術の開発
Project/Area Number |
17K18988
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三宅 正男 京都大学, エネルギー科学研究科, 准教授 (60361648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平藤 哲司 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (70208833)
池之上 卓己 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教 (00633538)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | エピタキシー / ポーラス材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
ナノポーラス半導体は、太陽電池の光電極や、光触媒、光電子材料、熱電素子などの、広い分野において新規応用への発展が期待される。しかし、従来のナノポーラス材料の形成法では、ポーラス体を構成する物質が、多結晶体またはアモルファスからなるものしか得られない。多結晶やアモルファスでは、電荷キャリアの移動を妨げる欠陥(結晶粒界など)が多く存在するために、電気的特性が良いものは得られない。このことが、ナノポーラス半導体を利用した高機能デバイスの実現を阻む要因となっている。本研究では、三次元ナノポーラス構造を持ちながら、なおかつ、高い電気的特性(高キャリア移動度)を示す新規半導体材料の創製を目的とする。この目的の達成のため、欠陥密度の高い多結晶体やアモルファスではなく、半導体単結晶からなるナノポーラス材料を形成するプロセスの確立を目指すとともに、その特性を明らかにする。 本研究で確立を目指すナノポーラス単結晶半導体の形成プロセスでは、最初の工程において、ブロック共重合ポリマーのミクロ層分離を利用して、単結晶基板上に孔径 10-50 nmの三次元ナノポーラスポリマー層を形成する。PS-Poly(4-vinylpyridine) に 3-pentadecylphenol を加えた系から 3-pentadecylphenol を選択的に溶解することで、サファイア単結晶基板上にナノポーラスポリマー層を形成することができた。得られたナノポーラスポリマー層の孔径は約 40 nm であり、三次元的に連通していることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ナノポーラステンプレートを形成することに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
単結晶基板上に形成したナノポーラスポリマー層内に、目的の半導体を基板からエピタキシャル成長させる条件を探索する。その後、ポリマーを燃焼させて除去することで、半導体のナノポーラス構造体を得る。半導体がテンプレート内にエピタキシャル成長していれば、最終的に得られるナノポーラス構造体は単結晶体となるはずである。 アンモニア水溶液からの ZnO 成長法を利用し、ポリマーの細孔内に ZnO をエピタキシャル成長させ、ナノポーラス ZnO 単結晶を得ることを試みる。フローリアクターを用い、ZnO 析出反応条件、すなわち、析出の駆動力を精密に制御し、ZnO を、ポリマー細孔を通して基板から選択的にエピタキシャル成長させる条件を明らかにする。 得られたナノポーラス ZnO が単結晶であることを、XRD, SEM, TEM によってけんしょうする。さらにホール効果測定を実施し、電気特性を明らかにする。
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Causes of Carryover |
有機試薬の購入を予定していたが、保管による劣化が懸念され、使用の直前の購入が望ましいと判断し、当該試薬を次年度に購入することとした。
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