2018 Fiscal Year Annual Research Report
Preparation processes of nano-DDS careers using supercritical carbon dioxide
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17K19003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
猪股 宏 東北大学, 工学研究科, 教授 (10168479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇敷 育男 広島大学, 工学研究科, 助教 (30734850)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 超臨界 / DDS / 吸着 / メソポーラスシリカ / 徐放剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度においては,前年度に引き続き,汎用的に用いられているメソポーラスシリカであるMCM-41をモデル担体,DDS(ドラッグデリバリーシステム)への応用が望まれている代表的な難溶性の非ステロイド性抗炎症物質であるイブプロフェンをモデル薬剤とした検討を実施した. 超臨界CO2法(333 K, 15 MPa)によるイブプロフェン含浸後のMCM-41に対して,透過型電子顕微鏡(TEM)像及び窒素吸着法による分析を行った結果より,メソポーラスシリカ細孔内への薬剤含浸を確認した.更に,温度333 K,圧力8~15 MPaの条件下において,超臨界法によるメソポーラスシリカMCM-41への薬剤含浸量の圧力依存性を検証した.その結果,圧力増加に伴い薬剤含浸量は低下したが,この圧力依存性は本系に係る2つの因子,(i) 超臨界CO2へのイブプロフェンの溶解度,及び (ii) 超臨界CO2中におけるシリカへの薬剤の吸着平衡から説明可能であった. 以上,研究期間内の成果をまとめると,本研究では超臨界法によるナノDDSキャリア創製プロセス実現に向けた萌芽的検討を行い,従来法である液相法と比べメソポーラスシリカ細孔内への高い薬剤含浸量を達成することができた.また超臨界法においては圧力条件によって薬剤含浸量が大幅に変化し,超臨界CO2中におけるイブプロフェンの溶解度及び吸着平衡の影響が示唆された.今後は超臨界CO2中における薬剤の吸着平衡測定などによる含浸プロセスの定量的モデル構築,及び徐放性試験の実施が課題である.
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Research Products
(1 results)