2018 Fiscal Year Annual Research Report
Chiral optical materials formed by optical vortex illumination
Project/Area Number |
17K19070
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
尾松 孝茂 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (30241938)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 光渦 / 特異点光学 / 超短パルスレーザー |
Outline of Annual Research Achievements |
螺旋(あるいは右手と左手)のように立体構造がその鏡像と空間的に重ならない性質をキラリティーと呼ぶ。研究代表者は、光渦を物質に照射すると光渦の角運動量が物質表面に転写されて螺旋構造ができることを発見した。本研究では、光渦の角運動量の大きさによって多彩な表面構造(表面レリーフ)を示すアゾポリマーを対象物質として取り上げた。アゾポリマー表面は光異性化反応、光圧による質量移動を経て凹凸構造(レリーフ構造)に変形する。光渦の角運動量が光異性化反応、あるいは、質量移動の段階で転写されるのかを実験的に理解するため、パルス幅可変の超短パルスレーザーを光渦に変換して実験を行った。その結果、光異性化反応の時間スケールである数psより短いパルス幅の光渦を照射してもキラルな質量移動は起こらないことが分かった。すなわち、質量移動の際の光圧として角運動量がアゾポリマーに働くことが分かった。また、アゾポリマー薄膜を圧膜にすると厚み方向の集光位置の違いで表面レリーフの形状が大きく異なることも分り、3次元的な波面記録の可能性が示せた。 この実験と並行して、光渦に変換した超短パルスレーザーを光硬化樹脂に入射させて多光子過程を経て光重合体を形成する実験を進めている。まだ、十分な再現性は得られていないが、樹脂の内部に角運動量の転写によって捩じれた螺旋のファイバー状の重合体ができることを確認している。この実験結果は、光渦の角運動量を物質内部に局所的に転写できることを示唆する重要なものである。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Nanoscale chiral surface relief of azo-polymers with nearfield OAM light2018
Author(s)
K. Masuda, R. Shinozaki, Y. Kinezuka, J. Lee, S. Ohno, S. Hashiyada, H. Okamoto, D. Sakai, K. Harada, K. Miyamoto, T. Omatsu
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Journal Title
Optics Express
Volume: 26
Pages: 22197-22207
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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