2017 Fiscal Year Research-status Report
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17K19091
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
高山 健 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 研究員 (20163321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 崇志 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (30375521)
長谷川 純 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (90302984)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 巨大クラスター / 誘導加速マイクロトロン / 誘導加速シンクロトロン / 双方向・多重構成 / バンチ圧縮 / 標的 / 電子プラズマ圧縮 / 空間電荷効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)巨大クラスターイオン慣性核融合ドライバーシステム設計研究:入射器としての誘導加速マイクロトロンの設計は順調に進展、蓄積リングと主加速器である3km長双方向・多重構成誘導加速シンクロトロンのラッティス設計の骨格が仕上がった。この他それぞれ5本のforward/backward beam用多重偏向電磁石の磁場計算が実施された。 (2)巨大クラスターイオン源開発研究:C60イオン源の改良に向け,フラー電子衝突による電離・解離断面積データをもとにレート計算を行い,高価数C-60イオン生成条件を調べ、照射電子エネルギーが1keVで7価のC-60生成量を最大にするには,10^14程度の面密度の電子ビーム照射領域の必要性を見出す。 (3)標的物理とドライバークラスターイオンバンチ圧縮の研究:クラスターイオンが標的材料中に生成する高温電子ガス中に生じるウエーク場の崩壊イオンに与える影響についての理論研究を開始した。パンチ圧縮過程でのビーム動力学について、空間電荷効果が支配的なビームを模擬する小型実験装置を用いて、初期長の1/4まで圧縮した電子プラズマの温度測定をおこない軸・径方向共に温度が増大を検出。3次元MDシミュレーションの結果と定性的な一致を確認する。線形加速器を用いたドリフト圧縮と主加速器でのバリアバケットを利用したパルス圧縮システム提案し全体構成について検討した。 (4)仏IPN-Orasayとの共同研究:IPN-Orsayからクラスターイオンを用いた慣性核融合(旧バージョン)をこれまで提唱して来ていた研究者を短期に招聘し、旧バージョンと本計画の違いを認識させた上で標的物理に関する共同研究を開始。又、2名を先方に派遣し、クラスターイオン源共同開発についての検討会議に参加する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)研究体制:国内関連研究者をほぼ網羅したスタイルを当初より採用し、研究開始時に研究全体の現状、方向性、個々の研究分担を明確にするためのワークショップを開催し、参加メンバー全員が共通認識を持った上で、個々の研究への取り組みが出来ている。且つ、研究班内ではそれぞれ、定期・不定期のSkype meetingを行い連携して研究進捗を維持してきた。初年度終了時に再度研究会を開催し、相互の進捗を確認。次年度に向けた取り組みについて検討した。 (2)研究テーマ自身の進捗度:核融合標的上での要求パラメーターを前提に、ドライバー各コンポーネントの検討を進めている。高価数イオン源開発が難問の一つであるが、先行するINP-Orasayとの連携が軌道に乗ってきた。入射器である誘導加速マイクロトロンの研究は他科研費との連携で、最も検討が進んでいる。鍵となる90度偏向磁石の1/10のスケールモデルの性能テスト結果が本番用偏向磁石設計に反映させられるようになった。一方、蓄積リング、主加速器設計はこれまでの高エネルギー加速器設計のKnow-hoowを駆使し、信頼できる設計に近付きつつある。双方向・多重構成誘導加速装置は電源・加速セルともに必然的に大きな装置になるが、前者は13 kVSiC-MOSFETスイッチ搭載の電源開発が端緒についている。バンチ圧縮過程を担う長大なバンチハンドリングシステムの模擬実験が既存の電子ガス圧縮装置を用いて、有意な実験結果を生み出しつつある。実験結果を再現するシミュレーションコードはそのまま、実規模システム対応コードのひな形であり、見通しは明るい。標的物理は2つのグループが標的物質中でのクラスターイオンの崩壊過程と熱付与後の物質流に着目した研究を連携して進めている。計算機資源が要求される作業であるが、既存コードの改良により、従前と異なる高密度物理現象を示唆している。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)ドライバー加速器設計:双方向・多重構成誘導加速シンクロトロンのラッティスの完成。専用電磁石の設計完成、主加速器からバンチ圧縮ラインへの多重構成キッカー・ランバートソン電磁石構成のビーム引き出し系の設計を実施。クラスターイオンと残留ガス相互作用によるイオンビーム寿命の評価。13kVSiC-MOSFET搭載のスイッチング電源のプロトタイプ製作。 (2)クラスターイオン源開発:C-60パルスジェット生成用のラバールノズル・駆動回路の設計を行い,C-60の流量・指向性の検討。イオン化部にソレノイドコイルを用いた新しい電子引き出し・集束系を導入し、照射電子電流密度に対するイオン化効率や多価イオン生成率の依存性を明らかにする。これらの実験結果をもとにC-60多価イオンのパルスビームを誘導加速シンクロトロンに供給するための高輝度C-60イオン源の設計を行う。 (3)標的物理とバンチ圧縮設計: 高温電子wake場がプラズマ中での崩壊イオンの動きに影響し、クラスターの動きにどのような変化をもたらすかをシミュレーションで明らかにし、高速クラスターの飛程に関する系統的研究に目鼻をつける。主加速器からのクラスターイオン特性を用い、現実的なバンチ圧縮システムの設計を進める。電子プラズマを用いた模擬圧縮実験にて、3D方向の温度(エミッタンス)上昇とビーム電流の関係を系統的に明らかにする。
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Causes of Carryover |
海外連携機関との共同研究開始のためのワークショップをフランスINP-Orasayで開催したが、出席予定であった研究代表者の家族の不幸のため急きょ出張を取りやめ、旅費が執行されなかった。研究討論に招聘予定であったミシガン州立大研究者の来日日程が年度内に設定することができなかった。分担研究者が予定していた国際会議への出張が本務の都合で取りやめられた。 これら3件の旅費執行を今年度の主張、招聘、国際会議での発表に置き換える。
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[Journal Article] Dynamic stabilization of filamentation instability2018
Author(s)
S. Kawata, Y. J. Gu, X. F. Li, T. Karino, H. Katoh, J. Limpouch, O. Klimo, D. Margarone, Q. Yu, Q. Kong, S. Weber, S. Bulanov, and A. Andreev:
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Journal Title
Physics of Plasmas
Volume: 25
Pages: 011601
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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