2019 Fiscal Year Research-status Report
テープヒータ電力線を利用した園芸農業無線センサデバイス用非接触給電システム
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17K19314
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Research Institution | Tokuyama College of Technology |
Principal Investigator |
山田 健仁 徳山工業高等専門学校, 情報電子工学科, 教授 (40280458)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2021-03-31
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Keywords | 電磁誘導 / 電磁界解析 / 非接触給電 / 有限要素法 / 変流器 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、テープヒータの低周波電力に高周波微小電力を重畳して送電し、その高周波微小電力を効率よく受電することで、それを省電力センサデバイスに供給するための電力とすることを特徴としている。特に電力を受電するための電磁誘導素子構造と受電用電子回路の設計手法とその性能評価を確立することが重要な研究要素となる。 2018年度までの研究では、有限要素法による電磁誘導素子構造の設計指針の検討や試作実験による動作検証を行ってきた。 2019年度は、これまでの成果を基に試作機をセンサデバイスに適用することを試みたが、有限要素法によるシミュレーションに使用した物理モデルに不十分な点があり、試作実験では所望の性能を達成するに至らなかった。シミュレーション手法の見直しにより、物理モデルの修正方針には目途がたったが、電磁誘導素子の性能評価手法の確立に至らなかったため、電磁誘導素子構造の実証実験データの取得が不十分なままとなった。 以上のことから、2019年度で本補助事業は終了予定であったが事業期間を1年間延長することにし、了承された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究・講義以外の業務(産学連携活動、担任業務)の多忙により、研究遂行に十分な時間を確保できなかった。研究実績の概要に記載したように、補助事業期間の期限に向け、研究を進めてきたが、実験の再現性の問題や検討不足な点が明らかになり、より厳密な実験、解析が必要となった。また、研究成果の発表や論文投稿するための時間も必要なため、補助事業期間の延長を願い出て了承された。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の最終的な実施計画にある農業施設環境での実証試験までは厳しい状況であるため、以下の点に絞って研究を推進する。 1)電磁誘導素子構造の設計指針となる有限要素法による解析手法を確立する。特に物理モデルの構成に関して詳細な検討を行う。 2)電磁誘導素子を試作し評価するが、その際の評価手法を検討する。 3)これまでに設計した受電用電子回路の最適化を回路シミュレーション、試作の両面から行う。 4)無線計測デバイスに接続し、その実用性を検証する。
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Causes of Carryover |
これまで評価用測定器、試作用実験機材の購入により実験準備を進めていたが、目標とした所望の性能が出ないため、学会発表、フィールド試験での人件費などの出費が無く使用額に余剰が生じた。補助事業期間を1年延長した次年度(2020年度)は、以下の使用計画とする。 1)電磁誘導素子、受電電子回路の追加試作実験の部品購入 2)学会発表の旅費など
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