2018 Fiscal Year Research-status Report
キリンのキネシンは速いのか? ~軸索輸送の速度進化の検証~
Project/Area Number |
17K19373
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
丹羽 伸介 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (30714985)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | KIF1A / キリン / 軸索輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
合成したキリンKIF1Aのモータードメイン(1-393アミノ酸)をmScarletに融合したリコンビナントタンパク質を大腸菌で発現し、可溶化画分から精製することに成功した。過去の多くの研究でマウスやラットのKIF1Aのモータードメインはダイマーを形成しないと考えられてきた。全反射蛍光顕微鏡を用いた1分子観察を行うと、モノマーの場合はバイアスのかかったブラウン運動をする一方で、他のタンパク質由来のcoiled-coilドメインを結合するとダイマーになり、processiveな動きが観察される(Okada et al., Science, 1999; Tomishige et al., Science, 2002)。しかしならがら、意外なことに、キリンのKIF1A(1-393)は外来性のcoiled-coilを付加しなくてもprocessiveなダイマー型の動きをすることがわかった。このことはキリンKIF1Aは2量体であることを示唆した。coiled-coilドメインを付加することでダイマーにしているマウスやラットのKIF1Aと今回の実験で使っているcoiled-coilドメインを付加していないキリンKIF1Aとではコンストラクトが異なるため、速度を直ちに比較することは難しいという問題に直面した。そのため、現在はラットKIF1Aで同じリコンビナントタンパク質を作製する、あるいはキリンのKIF1Aに外来タンパク質のcoiled-coilを付加するといった実験を行っている。 線虫ホモログであるunc-104の欠損変異体はシナプス小胞が軸索輸送されないため線虫が運動できなくなる。この線虫unc-104変異体にキリンのKIF1Aを発現することでレスキューすることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
リコンビナントKIF1Aを作製し、速度を計測する系を構築することに成功している。また、キリンのKIF1Aの性質はこれまで標準に解析されてきたマウスやラットと言った齧歯類のKIF1Aと異なるという意外な発見もあった。キリンのKIF1Aを用いて線虫変異体をレスキューすることにも成功した。計画は順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
速度を計測する系は完成しているため、キリンKIF1AとマウスやラットのKIF1Aの速度を比較する。また、線虫変異体の軸索輸送キネシンをキリンのものに置き換えた株も完成しているため、この株を用いて軸索輸送の速度を計測する。
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Research Products
(1 results)