2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of deep phenotyping method that enables analysis and application of latent drug response
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17K19478
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
楠原 洋之 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 教授 (00302612)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 抗がん剤 / 併用効果 / 2次元電気泳動 / プロファイリング / OLSA |
Outline of Annual Research Achievements |
2種類の抗がん剤(Vincristine、PD0325901およびその併用)を、24時間処理したヒト線維肉腫由来HT-1080細胞細胞質画分を、2次元電気泳動(2DE)に供した。得られたデータをOLSAにより解析したところ、3つのベクトルが抽出された。各ベクトルはこれらのデータを縮約する基礎的な作用であると考えられる。それぞれ細胞死に関連すると考えられる共通作用、併用により打消し合う作用、および併用により現れる作用が見いだされたと考えられた。2DEで得られる各変数はスポットであり,個々に生物学的な意義を解釈することは困難である。これらの結果は,当初の想定通りOLSAによる次元縮約が効果的であり,抗がん剤の併用効果を検出できたものと推察される。ミニゲルを用いた2DEによるプロファイルデータのOLSAによる解析により、薬理作用を解析可能であることを示すことができた。さらに、OLSAによるトランスクリプトームデータの解析にも取り組んだ。前年度,OLSAにより抽出した118個のベクトルのうち、2番目に寄与率の高いベクトル(P2V)に着目した。gene ontology解析等から、P2VはPI3K/AKT/mTOR経路阻害に対応すると考えられるため、P2Vハイスコア化合物はautophagyを誘導するものと推察される。そこでP2Vハイスコア化合物のうち、autophagyとの関係性が報告されていないBenzamilなど5化合物について、autophagy誘導能をLC-3のphosphatidylethanolamine化のWestern blotting法による検出、等により評価した。結果、phenazopyridineを除く4化合物について確かにautophagyの誘導が認められ、OLSA結果に基づく予測は概ね正しいことが示された。
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