2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of high-speed AFM/single-molecule FRET to visualize synthesis and degradation of carbohydrate chain
Project/Area Number |
17K19519
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
内橋 貴之 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (30326300)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 高速原子間力顕微鏡 / 蛍光共鳴エネルギー移動 / タンパク質 / 構造変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に開発した高速AFM/全反射照明蛍光顕微鏡を用いてFRET用蛍光標識を行った、K4CPおよび糖基質CH4, CH6、セルラーゼTrCel6Aの高速AFMと一分子RETの同時観察を試みた。セルラーゼFRET標識試料を高速AFM/1分子FRET複合機にて同時観察を試みた。しかしながら、セルロースに結合するTrCel6Aを頻度よく観察することが困難であった。また、蛍光画像で見られた分子と高速AFMで見られた分子が一致するかの判断も難しい状況であった。現状では、FRETを検出する実験条件(~ pM)ではTrCel6Aの濃度が低く、高速AFMで頻度よく観察することが困難で、その一方で、高速AFMで観察できる濃度では、FRETを検出するには濃いという状況にある。今後は、FRETと高速AFMの2つの実験条件を相互に最適化する必要がある。しかしながら、独立した計測では、TrCel6Aの動きを捉えることができているので、さらに実験のトライアンドエラーを繰り返し、TrCel6Aの濃度や基板条件の最適化を行なうことにより、同時観察が可能になると考えている。本研究課題の実施により、高速AFMと一分子FRETの複合装置の開発に成功し、また、高速AFM/一分子FRETのための分子への蛍光標識の条件もかなり詰めることができた。本研究課題で開発した装置はタンパク質の機能発現機構の解明の手法として大きな潜在力を有していると考えられ、一分子ダイナミクス計測の新規計測手法の開発の観点から萌芽的研究の目的は十分達せられた。
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