2017 Fiscal Year Research-status Report
Creation of Space Immunology by space and ground experiments
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17K19537
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
村上 正晃 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (00250514)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | ゲートウェイ反射 / 炎症アンプ / 重力 |
Outline of Annual Research Achievements |
地球の重力は我々地上の生物にとって避けられない刺激であり、進化的にも保存された何らかの免疫学的な応答機構が存在する可能性が高い。これらを解明することは、重力という環境要因が我々の健康へどのように関連するのかを探索すること、また、将来的に宇宙開発を進める点でも重要な意義をもつ。我々は2012年に、重力刺激が局所神経の活性化を誘導し、特定血管に変容をもたらすことで末梢結中の免疫細胞の中枢への侵入口を形成する「ゲートウェイ反射」を明らかにした。本研究では重力と炎症性疾患との関係を宇宙実験および方法論的に確立した地上実験との組み合わせで明らかとし、宇宙免疫学の研究領域を切り開くことを目的としている。今年度は国際宇宙ステーション「きぼう」内での微小重力下での実験を可能にするため、JAXAと共同でファージビリティスタディを行ってきた。通常、病原性T細胞は中枢神経系抗原を免疫したマウスから実験を行うたびに培養および単離を行うが、ロケットの打ち上げは度々スケジュール変更が行われるため、病原性T細胞のクローン樹立を行い、スケジュール変更に対応可能にした。宇宙に打ち上げられたマウスは海に着水後、解析までには2日ほど時間を要し、その間は1Gに晒される。そこで、地上にてマウスの尾部懸垂モデルを用いて、このタイムラグが生じてもゲートの位置が持続するかを検討したところ、長寿命のMHCクラスII高発現モノサイトを指標とすることで、ゲート位置の痕跡が検出でき、少なくとも数日間のタイムラグは解析に影響しないことが分かった。さらに、打ち上げや帰還時などの過重力や衝撃によってもゲート位置には大きな影響が無いことが分かり、ファージビリティスタディは順調に進んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度の研究実施計画どおりに研究が遂行されているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の進捗が順調であったことから、これまでと同様に計画に沿って研究を推進していく予定である。
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Causes of Carryover |
(理由) 計画が順調に推移しており、もともと予算が低かった最終年度に繰り越したほうがより研究が促進すると判断したため。 (使用計画) 従来の計画に加え、地上での0Gおよび2G重力下での細胞培養を再現できる装置を用いてサイトカイン刺激後の細胞応答の変化を遺伝子発現の網羅的解析やエピジェネテヒクス解析を含め詳細に検討する。
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Research Products
(17 results)
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[Journal Article] Brain micro-inflammation at specific vessels dysregulates organ-homeostasis via the activation of a new neural circuit.2017
Author(s)
Arima, Y., T. Ohki, N. Nishikawa, K. Higuchi, M. Ota, Y. Tanaka, J. Nio-Kobayashi, M. Elfeky, R. Sakai, Y. Mori, T. Kawamoto, A. Stofkova, Y. Sakashita, Y. Morimoto, M. Kuwatani, T. Iwanaga, Y. Yoshioka, N. Sakamoto, A. Yoshimura, M. Takiguchi, S. Sakoda, M. Prinz, D. Kamimura, M. Murakami.
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Journal Title
eLife
Volume: 6:e25517
Pages: 1-27
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Rbm10 regulates inflammation development via alternative splicing of Dnmt3b.2017
Author(s)
Atsumi, T.*, H. Suzuki*, J-J. Jiang* (* equal contribution), Y. Okuyama, I. Nakagawa, M. Ota, Y. Tanaka, T. Ohki, K. Katsunuma, K. Nakajima, Y. Hasegawa, O. Ohara, H. Ogura, Y. Arima, D. Kamimura, and M. Murakami.
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Journal Title
Int Immunol.
Volume: 29(12)
Pages: 581-591
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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