2018 Fiscal Year Annual Research Report
A novel approach for antibody design utilizing structural biology
Project/Area Number |
17K19562
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
橋口 隆生 九州大学, 医学研究院, 准教授 (50632098)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 抗体 / 感染症 / 構造生物学 / コンピュータ科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
抗体は細胞/分子の単離・標識など生命現象を解明するための研究ツールや、疾患の診断・治療薬として非常に有用だが、標的分子に対して目的の機能・特異性を持つ抗体を取得することは容易ではない。従って、抗体作製のための新たな選択肢(技術)が求められている。そこで、本研究では新規抗体作製法として、抗原の立体構造情報に基づいて、抗原の望む部位へ自由自在に抗体をコンピュータ上で理論的に人工設計するシステム構築に挑戦した。研究対象の疾患としては、作製した抗体に感染阻害能があるかどうかを判断するための機能解析が数日で迅速に評価できるウイルス感染症とした。研究手法としては、構造生物学的手法とウイルス学的手法、コンピュータ計算科学的手法を組み合わせて進めた。 今年度は、昨年度にスーパーコンピュータを利用して抗原構造と抗体構造に基づき設計した抗体の候補配列を実際に人工遺伝子として合成し、HKE293細胞に導入することで、培養上清中にコンピュータ設計抗体を発現させた。この抗体を用いて、EGFP組み換えウイルスによる培養細胞への感染を阻害できるかどうかを評価した。人工合成したコンピュータ設計抗体は、全体の3分の1程度の候補において、実際に培養上清中に蛋白質として発現させることに成功した。これらの候補中に、実際にウイルス感染を阻害する中和能を持つ抗体が存在することが期待されたが、中和能を発揮する抗体は確認されなかった。しかし、一部の抗体は実際にウイルス抗原への特異的な結合が確認できたことから、設計システムをさらに改良することで、有用な抗体作製手段と成り得ることを示した。
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Research Products
(4 results)