2018 Fiscal Year Research-status Report
AR-navigated transcanal endoscopic inner ear sugery
Project/Area Number |
17K19732
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小川 郁 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (00169179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤岡 正人 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (70398626)
小澤 宏之 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (30327621)
疋島 啓吾 沖縄科学技術大学院大学, 実験動物セクション, MRIスペシャリスト (30420219)
畑 純一 公益財団法人実験動物中央研究所, ライブイメージングセンター, 研究員 (00568868)
岡野 ジェイムス洋尚 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (90338020)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 耳科学 / 拡張現実 / 内視鏡下耳科手術 / 顔面神経麻痺 |
Outline of Annual Research Achievements |
光学デバイスや専用器具の登場により近年一分野として確立した内視鏡下耳科手術(TEES)は、ここ数年、国内外で急速な普及期を迎えつつある。本研究では海外で行われつつあるTEESでの内耳道手術をより安全に行うことを最終目標に、内視鏡画面上に拡張現実(AR)として解剖学的危険部位を投影するシステムを樹立する。 内視鏡画面上に実空間に対応した拡張現実空間を展開するためには、予め実空間の座標軸を設定する必要があり、この座標軸設定に基づいた術前情報(たとえば画像所見)の取得と、術中の内視鏡位置情報の取得、そして画像上への拡張現実空間に表現するリアルタイムな座標変換が必要である。本年度は、①内視鏡の位置情報を収集するシステムと、②それをモニタ内の拡張空間に表現する座標変換 について、プロトタイプを作成した。一方、最終的には解剖学的危険部位を術前にCT,MRIで撮像して術野と重ねあわせることを目的としていることから、そのためには術前画像撮像時に危険部位を座標化する必要があり、そのためには体表上に座標軸を用意しておくのが最も単純かつ汎用性の高い方法と考えられる。そこで本年度は、頭蓋骨模型を用い、メルクマールを付加した上で、コンビームCTで撮像し、このデータを上述①②の座標変換に載せる検討を行った。 海外で行われている内視鏡下内耳道手術では顔面神経損傷の頻度が高く、優れた成績を有する施設でも約10%以上の頻度で術後顔面神経麻痺を生じている。とくに腫瘍性病変において腫瘍と顔面神経の位置関係を画面上で正確に表現することが必須であり、来年度は、この精度を念頭に置いた研究を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度に企業との交渉を試み、研究の進行が遅れ、この遅れを引きずっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の遅れはあるものの、その後の研究は着実に進んではいる。引き続き研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
上述のように初年度にライセンシング交渉の関係で実際の研究が予定より遅延したことを引きずり、元来解析中の検討事項が来年度に繰り返されたため。本年度研究をすすめるにあたり、使用額となる見込みである。
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