2020 Fiscal Year Research-status Report
安全で確実な経管投薬を実施するための「簡易懸濁法ガイドライン」の策定
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17K19840
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
倉田 なおみ 昭和大学, 薬学部, 客員教授 (40439401)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 努 昭和大学, 薬学部, 准教授 (20773930)
柴田 佳太 昭和大学, 薬学部, 准教授 (50727328)
熊木 良太 昭和大学, 薬学部, 助教 (70789916)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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Keywords | ガイダンス / 簡易懸濁法 / クリニカルクレッション / エビデンスレベル / 推奨の強さ / in vivo試験 / テモカプリル / 酸化マグネシウム |
Outline of Annual Research Achievements |
現在まで報告されている120件の論文を整理し、各論文の内容評価、エビデンスレベル、推奨の強さに関して12名に査読を依頼して評価、その後クリニカルクレッションを抽出し、Questionに対するAnswerを作成している。 しかし、簡易懸濁法は2001年ごろから臨床現場にて普及し始めた新しい経管投薬法であるため、それ以前の研究報告は皆無であり、その後のin vitro試験の報告も少なく、またin vivo試験の結果はほとんどない状況であった。そのためガイドラインを作成するための体内動態などのin vivo試験結果がなく、エビデンスが希薄な状況で作成したガイドラインは信頼性に欠ける可能性が高い。これらを鑑み、ガイドラインとしてではなく「簡易懸濁法ガイダンス」を作成することとする。 また特に複数の医薬品の配合変化に関するエビデンスは少なかったことから、それを補填するため本研究の一環として、テモカプリルと酸化マグネシウムを用いたin vitro試験を2019年度に実施し、テモカプリル及びテモカプリラートの成分量をHPLCにて測定した。その結果in vivo試験の必要性を認め、2019年度に倫理委員会の承認を得て、2020年4月からヒトを対象とした臨床試験を実施するところであったが、コロナウイルス感染拡大により延期せざるを得なくなった。その後、7月に臨床試験を実施することができ、現在論文作成中である。 さらに簡易懸濁法そのものを説明する英語論文もなかったことから、こちらも本研究の一環として作成して投稿し、昨年度、Dyspagiaに掲載された。これらの論文もガイダンスに盛り込む。 さらに。ガイダンスの総論として簡易懸濁法の正確な手技を示すことも重要と考える。コロナ禍、研究期間が延長されたことから、ガイダンスには手技の動画を入れることとし、現在その製作準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
論文の評価、クリニカルクレッション作成は終了し、Answerもほぼ完成しているが、最終的な報告書としてまとめ上げ、最終産物とするには少し遅れているように思う。さらに1年の延長期間をいただき、バージョンアップしてガイダンスに動画を挿入することになったことから、動画撮影の準備、撮影、編集等の時間が追加された。 これらにより、期間内に終了するためには全体のまとめを急ぐ必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
作成されたQuestion ならびにAnswerを最終的に精査し、より使いやすいガイダンスとなるように見直す。 さらに、総論部分で動画を挿入することになったため、その撮影、編集を行い、総論部分の全体をまとめ直す。 昨年度の診療報酬改定にて、簡易懸濁法に経管投与支援料が認められたため、誰が行っても同じ簡易懸濁法が実施される(間違った簡易懸濁法が実施されないような)材料となるよう、より分かりやすいガイドラインを目指して検討を重ねていく。
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Causes of Carryover |
ガイダンス作成に用いるエビデンスを構築するため、ヒトを対象とした臨床試験を実施する予定であったが、コロナ禍、予定通りに実施することが不可能となったため。3か月遅れて実施し、現在論文化している。
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