2017 Fiscal Year Research-status Report
精度の自動調整機能を備えるApproximate Computing基盤
Project/Area Number |
17K19971
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
津邑 公暁 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00335233)
|
Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
|
Keywords | Approximate Computing / 計算再利用 / 近似計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
Approximate Computingを統一的に適用可能な計算基盤の実現に向け,近似計算と計算再利用を組み合わせた近似計算再利用において,関数の単調性を利用することで,最適な計算近似度でApproximate Computingを適用する方法を検討した. まず,Approximate Computingを適用する対象となる関数,および,その近似化対象となる関数の入力を,プログラマがプラグマを用いて指定する方法を採用し,その仕様を設計した. また,プラグマを用いて記述された近似化の対象となる関数入力,およびマスク値の情報をプロセッサから利用するために,プロセッサの命令セット拡張の仕様を設計した。その上で,プラグマをこの専用命令へと変換し,プラグマで指定されたパラメータを,当該専用命令のオペランドとしてエンコードするコンパイラを実装した。 MediaBenchから,画像圧縮を行うcjpegを用いて評価を行った結果,非常に簡単なプログラムの書き換えにより,既存の自動メモ化プロセッサと比較して,最大22.3%の命令実行サイクル数削減,および最大29.5%の再利用率向上を達成し,手法の有効性を確認することができた. また,同じくMediaBenchから,3Dグラフィクスを生成するmesaに含まれるmipmapを用いて評価を行った結果,mipmap内のlog関数において通常の計算再利用を用いた場合の再利用率が8.7%であったのに対し,log関数の出力許容誤差を0.01とした場合で再利用率が90.4%まで向上すること,また計算再利用に必要な記憶容量が7.3%まで低減できることを確認した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた,計算近似度をプログラマにしていさせるためのディレクティブを含む記述仕様の設計,それを解釈・実行するコンパイラおよびプロセッサの設計・実装について,概ね順調に進行している。連想検索を担うエンジンのAPIとなる,拡張命令セットの設計,シミュレータ実装による評価も一部完了しており,引き続き,インタフェースおよび実装の拡張を行っていく。
|
Strategy for Future Research Activity |
前年度までの研究で整った調査および環境を用いて,計算近似度をプログラマに明記させる形から,自動的に調整する形へと拡張を行う。そのためにまず,CNN等の実用的アプリケーションを詳細に解析し,入力近似度と出力誤差の関係を調査した上で,手法のシミュレーションによる評価を行う。
|
Causes of Carryover |
投稿予定であった国際会議論文およびジャーナル論文の執筆が遅れたため,投稿を次年度に持ち越すことになり,関係する参加費・旅費・掲載料を次年度に使用することとなった。
|
Research Products
(11 results)