2017 Fiscal Year Research-status Report
異なる大規模データベースで学習された深層畳込ネットを融合した特徴抽出
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17K20008
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松川 徹 九州大学, システム情報科学研究院, 助教 (80747212)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2021-03-31
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Keywords | 畳込ニューラルネットワーク / 融合 / CNN特徴転移 / 画像認識 / 深層学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
大規模なデータベースで学習された畳込ニューラルネット(CNN)の中間出力を他タスクへの特徴量として転用するCNN特徴転移は、学習元のタスクと適用タスクの性質が類似する場合に限り特に高い性能を発揮するため,学習データベースの選定が重要となる. 画像認識の認識対象は,複数の意味概念の集まりであるため、高精度な認識を実現するためには,従来のように単一のデータベースのみで学習されたCNN特徴を転用するのみでは不十分である. 本研究では, 複数の大規模データベースで学習されたCNNを融合し, 多様なタスクへ転用可能な汎用的な特徴抽出手法を探求する. 平成29年度は主に異なるカメラ間で同一人物を検索するタスクにおけるCNN特徴転移の基盤手法を開発した. まず,学習データベースの位置情報に強い影響を受ける全結合層と比較して,位置情報の影響を受けにくい畳み込み層の特徴は適用先のデータベースへの汎用性が高いことを確認した. この解析に基づき, 異なるカメラ毎に畳み込み層の特徴を判別的に集積する手法を開発し, 50層の深いCNNに適用することにより, 学習サンプルの少ないデータベースにおいて他の最新手法を上回る照合を実現した. この開発手法は,原理上,人物の姿勢推定用のデータベースで学習されたCNNと自然に融合することが可能であり, 更に性能改善が可能な見通しである. また,複数データベースで学習されたCNN 特徴を融合する際,特徴量の値を適切にスケーリングすることで, 融合を改善する方策を考案した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画に基づく複数CNN特徴の融合の実験的検討が,時間的要因により不十分である. また,本年度は人物照合タスクへのCNN特徴転移手法の開発を中心に行ったため,当初計画していた画像説明文タスクでの特徴融合の検討が不十分である.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度考案した,判別的集積法と特徴量スケーリングによる汎用的特徴融合の改善を行う. 附せて当初計画していた,画像説明文生成タスクにおける特徴融合の探索的実験を遂行し,異なるデータベースで学習したCNN特徴融合の知見を得る. その解析に基づき, 複数CNNの場合に必要となる各CNNから取得する融合情報の選定,および融合方式の開発を行う.
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Causes of Carryover |
本年度は大規模な実験段階に至らなかったため, 購入した計算資源が計画より少なかった. また, 海外での研究成果発表に至らなかったため, 旅費に未使用額が生じた. これらは、次年度以降に必要であり充当する.
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