2019 Fiscal Year Annual Research Report
Structure Biology Study on Effects of Hyperthermia on Ku: Evolution From DNA Damage Repair to Protein Damage Repair
Project/Area Number |
17K20042
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松本 義久 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (20302672)
|
Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
|
Keywords | 温熱 / 放射線 / DNA修復 / Ku / 円二色性分光 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度を延長した本年度は、まず、Kuを欠損するげっ歯類細胞の解析を行った。KuはKu70、Ku86から構成されるが、Ku70遺伝子を欠損する細胞では、Ku70タンパク質に加え、Ku86タンパク質も検出できなかった。一方、Ku86遺伝子を欠損する細胞ではKu70も検出できなかった。これまでにも報告があるが、Ku70とKu86の両方が存在することが安定化に重要であることが示唆された。Ku欠損細胞の放射線感受性を検討したところ、予想通りいずれも対照となる細胞より高い放射線感受性を示した。Ku70欠損細胞は低線量率放射線に対して高線量率放射線より高い感受性を示したが、Ku86欠損細胞は高線量率放射線、低線量率放射線に対して同等の感受性を示した。Ku70とKu86では欠損するマウスの表現系に若干の差異があるほか、異なるタンパク質と結合している報告もあり、それぞれ単独での安定性や機能についてさらなる検討の必要があると考えられた。また、ヒトとげっ歯類ではKuタンパク質の存在量が大きく異なることから、ヒト細胞を用いた検討が重要であると考えられた。 昨年度に引き続き、XRCC4変異体の解析を行った。小頭症、発育不全を呈する遺伝病患者で見られる変異体の中で発現量が著しく低いものが認められ、安定性が低い可能性が考えられた。そのうち一部で、細胞質内に特異的な集積パターンを示す変異体が見られ、構造異常を有するXRCC4タンパク質が隔離、分解を受けている可能性が考えられた。また、XRCC4の自己二量体、四量体形成や、他のタンパク質との相互作用の解析を行ったが、これらに対する変異の影響については引き続き構造生物学的に解析する意義があると考えられた。
|
Research Products
(24 results)