2020 Fiscal Year Research-status Report
Faith and Social Engagement of Muslim Women in Malaysia: Informatization, Identity and Agency
Project/Area Number |
17KK0057
|
Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
安達 智史 近畿大学, 総合社会学部, 准教授 (90756826)
|
Project Period (FY) |
2018 – 2021
|
Keywords | 女性ムスリム / マレーシア / 性差 / エージェンシー / 信仰 / 社会参加 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、マレーシアのムスリム女性を対象に、信仰と社会参加がどのような理路のもとで彼女たち自身の手により関係づけられているのかについて、社会学・文化人類学およびフェミニズムの方法・視座を通じて明らかにすることを目的としている。本年度は、これまでの調査データの分析に加え、グローバル化と近代化を背景としたマレーシアの女性ムスリムの理解を可能にする理論的枠組みについて検討をおこなった。具体的には、マレーシアにおける大学生のフォーカス・グループに基づくデータ分析に基づき、現代のムスリム女性とその他の集団とのジェンダー意識をめぐる共通性/差異性について議論をおこなった。それにより、性差をめぐる強固なステレオタイプが残存する一方で、マレー系女性の社会参加やその指導的地位に就く余地がいまだ残されている点を明らかにした。また理論面では、ムスリム女性のエージェンシーをめぐる議論を、ポスト構造主義、身体規律化論、再帰的近代化論という三つの理論的視点から整理した。それにより、宗教と女性のエージェンシーの関係をめぐるアプローチは、部分的に対象とする女性の地理的・社会的地位に応じて選択することが肝要である一方で、イスラーム世界への近代的ライフスタイルの浸透なかでポスト伝統社会論の重要性が増している点を強調した。以上を踏まえ、来年度は、起業家女性ムスリムへの追加のインタビュー調査を実施することで、本研究プロジェクトの完遂を目指す。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Covid-19の流行のため、現地調査をおこなえなかったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究プロジェクトは本年度に完了予定であったが、Covid-19の流行のため調査実施が不可能であったため、一年延長し、来年度追加調査をおこなう。Covid-19の状況次第では、現地調査を対面ではなく、オンラインに切り替えて実施する。
|
Research Products
(10 results)