2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of a taxis model of cells: application for medicine and evolutionary biology
Project/Area Number |
17KK0080
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石川 拓司 東北大学, 工学研究科, 教授 (20313728)
|
Project Period (FY) |
2018 – 2021
|
Keywords | バイオテクノロジー / 微生物 / モデル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は半年間イギリスのケンブリッジ大学・応用数学理論物理学科のGoldstein研究室に滞在し、細胞の走性の数理モデルの開発に取り組んだ。微細藻類の走性のメカニズムを解明した成果は、国際共著論文(Maleprade, et al., Phys. Rev. E, 2020)として発表した。本年度はこの研究をさらに前進させ、Volvoxの協調遊泳メカニズムを生物物理的に解明し、繊毛の効果をせん断応力シェルで表現する新しい細胞遊泳モデルを提案した。その成果は、流体力学の最高峰の雑誌に国際共著論文として発表した(Ishikawa, et al., J. Fluid Mech., 2020a)。 また、受入れ教員のGoldstein教授のみならず、同じ学科のPedley教授やLauga教授との共同研究も推進した。Pedley教授とは、微生物の濃厚懸濁液のレオロジー解析を行った。ストークス動力学法を用いて微生物の多体干渉の解析を行い、懸濁液のshear-thickening特性や、法線応力差を明らかにした。この成果は、流体力学の最高峰の雑誌に国際共著論文として発表した(Ishikawa, et al., J. Fluid Mech., 2020b)。Lauga教授とは微生物の協調遊泳の不安定性を共同研究し、1編の論文が投稿中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
順調に研究が進展し、国際共著論文を既に3編出版している。しかしながら、コロナ禍の影響で人的な交流がままならない問題点がある。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後もGoldstein教授との共同研究を進め、研究対象をカイメン動物にまで拡張して生命現象の数理モデル化を行う予定である。また、Pedley教授との共同研究では、引き続き微生物の濃厚懸濁液のレオロジーを解明する。Lauga教授とは微生物の協調遊泳の不安定性を共同研究し、1編の論文が投稿中である。この論文を着実に出版し、さらに続報をまとめる予定である。コロナ禍の影響で人的な交流が行えない場合には、オンラインを駆使して研究を推進する予定である。
|
Research Products
(7 results)