2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a taxis model of cells: application for medicine and evolutionary biology
Project/Area Number |
17KK0080
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石川 拓司 東北大学, 医工学研究科, 教授 (20313728)
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Project Period (FY) |
2018 – 2021
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Keywords | バイオテクノロジー / 微生物 / モデル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はコロナ禍の影響でイギリスのケンブリッジ大学を訪問することはできなかったが、オンラインでの研究打合せを密に行うことで、共同研究を推進した。 まず始めに、微生物の協調遊泳の不安定性を応用数学的に解析し、不安定現象の数理を解明した。その結果を数値シミュレーションによって確かめ、遊泳モードの違いによる不安定性の強さを定量的に明らかにした。この成果は、理論物理の分野で定評のあるEurophysics Letters誌に掲載された(Lauga, Ishikawa, et al., Europhysics Letters, 2021)。また、さまざまな遊泳モードを持つ微生物の2体干渉の解析を行い、干渉運動の相図を作成した。これにより、微生物干渉の体系的な理解が進んだ。この成果は、流体力学で定評のあるPhys. Rev. Fluids誌に掲載された(Darveniza, Pedley, Ishikawa et al., Phys. Rev. Fluids,2022)。この研究をさらに発展させ、多数の微生物が作り出すプルームの安定解析も行った。この成果は、査読付き雑誌論文として現在準備中である。この他にも、多細胞動物の起源となる襟べん毛虫の群体の遊泳・摂食解析を行い、細胞走性モデルを進化生物学へと展開した。 Lauga 教授には、数値解析手法についても数理的なアドバイスをいただいた。この議論に触発され、申請者は境界要素法と潤滑理論を組み合わせたLT-BEM 法を開発した(Ishikawa, J. Comp. Phys., 2022)。 これらの共同研究を通じて、当初の予定通り、ケンブリッジ大学DAMTPの3名の教授(Goldstein教授、Pedley教授、Lauga教授)の全員と、無事に国際共著論文を執筆することができた。
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Research Products
(7 results)