2021 Fiscal Year Research-status Report
How does rain journey through the vertical structures of tree canopy? Development of physical model using chemical analysis
Project/Area Number |
17KK0159
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Research Institution | Forest Research and Management Organization |
Principal Investigator |
南光 一樹 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (40588951)
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Project Period (FY) |
2018 – 2022
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Keywords | 樹冠遮断 / 樹冠通過雨 / 雨滴 / 濡れ / 水同位体 / 溶存体炭素 / 樹幹流 |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナ禍により海外渡航ができず、予定していたオンサイトでの研究議論や学会発表などの研究活動が実施できなかった。海外共同研究者であるPilar Llorens博士(スペイン環境評価水資源研究所)とSteffen Seitz博士(テュービンゲン大学)を招へい予定だったが、コロナ禍により次年度に招聘することとなった。以上により、補助事業期間を1年間延長する。 2018年のアメリカ滞在時にアメリカブナ林で取得し雨滴データについて解析を進め、海外共同研究者と月1,2回のWeb会議を重ねた。林内雨滴について、葉が落ちるにしたがって粒径4-6mmの雨滴の量が減少する一方で、粒径6.6mm以上の雨滴の量は微増した。これは、葉からの滴下雨滴が減少し、枝からの滴下雨滴が増大することを意味する。この結果を踏まえて、樹冠通過雨が葉を伝う流路と枝を伝う流路に分けられることを示し、その流路のイベント内変動と季節変動を明らかにした。降雨初期は早くに濡れる上層の葉からの小さめの雨滴滴下が卓越し、樹冠の濡れが進むにつれて枝を伝う流路が発達し、より大きな雨滴の滴下が促されることを解明した。この内容の論文を投稿した。 アメリカブナを対象に、染料を用いた人工的な樹幹流再現実験を行い樹幹流の浸透面積を調べた。その結果、1本の樹木につき最大で毎時290リットルの樹幹流を再現しても、浸透面積は0.1m2未満であった。樹幹流が根元近傍の極小領域に浸透すること明らかにした。根元に集中的に樹幹流が浸透するため、その浸透エリアに樹木がない場合に降る雨量に比べて、32~250倍の水量が集中的に浸透することがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍により海外渡航ができず、予定していたオンサイトでの研究議論や学会発表などの研究活動が実施できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度もオンサイトでの研究議論や学会発表ができないものと考え、オンラインのみで研究を推進できるようにメールやWeb会議による海外共同研究者との議論を強化し、収集データの解析と論文化を進める。
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