2019 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the mechanism of arrhythmia in myocardial infarction in an organ-on-a-chip
Project/Area Number |
17KK0168
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高橋 賢 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (50432258)
|
Project Period (FY) |
2018 – 2020
|
Keywords | 心筋梗塞 / 脳梗塞 / 腎臓移植 / 虚血再灌流障害 / 臓器チップ / 補体活性化 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者・高橋賢は2018年7月末より米国に渡航し、ハーバード大学Wyss Instituteにて研究を開始した。当初の計画では2019年7月末に共同研究を終了して帰国する予定であった。しかし、Wyss Institute内で産学連携が盛んな血液脳関門チームに加わることとなり、この計画の発展に伴い米国での研究期間を4ヶ月延長することとなった。その結果、世界各国の優秀な研究者約50人とネットワークを構築することができた。 本研究(国際共同研究加速基金)のテーマは「Heart-on-chipによる心筋梗塞時不整脈のメカニズム解明」である。高橋は、米国のハーバード大学で臓器チップ上の細胞培養、培養液・血液の灌流、ライブイメージング等の技術を習得し、血液脳関門チップの虚血再灌流障害モデルを開発した。虚血再灌流障害は心臓で心筋梗塞を引き起こすのと同様に、脳では脳卒中を引き起こす。 高橋は、これら2つのかけ離れた疾患の共通の分子メカニズムがTRPM4チャネルの活性化にあるのではないかとの着想に至った。 一方、高橋の研究チームは日本の岡山大学でヒトiPS細胞から分化誘導した心筋細胞を用い、虚血再灌流状態に曝露する方法の確立を行った。この研究は大きな成果をもたらした。論文がBiochemical and Biophysical Research Communications誌に掲載された他、Journal of Visualized Experiments誌から正式な投稿依頼を受けた。この成果は米Science誌系列のEurekAlert!でプレスリリースを行い、海外8つのメディアで紹介された。さらに、iPS細胞と歯肉線維芽細胞との共培養による心筋分化誘導効率化の研究成果は、岡山大学から特許出願を行うことが決定された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
米ハーバード大で習得した臓器チップの運用に関し、日本に帰国後、岡山大学の実験設備を用いて行う環境の構築を行い、これを確立した。 iPS細胞から心筋細胞への分化誘導の効率化を行った他、さらに虚血再灌流環境の曝露法を確立した。
|
Strategy for Future Research Activity |
米ハーバード大学の臓器チップ技術と岡山大学のiPS心筋細胞とを組み合わせることにより、心筋梗塞の発症メカニズム解明を推進する。 具体的には、TRPM4チャネル遺伝子をCRISPRノックアウトしたiPS細胞から心筋細胞への分化誘導を行う。この細胞を臓器チップ上で培養し、虚血再灌流環境に曝露することにより、心筋梗塞時に起こる不整脈のメカニズムを解明する。
|
Research Products
(6 results)