2018 Fiscal Year Research-status Report
Studies on the development of intersubjective recognition
Project/Area Number |
17KT0057
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高田 明 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (70378826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川島 理恵 関西医科大学, 医学部, 研究員 (00706822)
橋弥 和秀 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (20324593)
バーデルスキー マシュー 大阪大学, 文学研究科, 教授 (80625020)
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Project Period (FY) |
2017-07-18 – 2021-03-31
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Keywords | 子ども / 相互行為 / 承認 / 責任 / 間主観性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,子どもが養育者からの承認を通じて責任を達成する経験を積み重ねることで間主観性を発達させていく過程について,その普遍的及び文化特異的な側面を経験的手法によって明らかにする.このため,(1)代表者らが日本国内で収集する縦断的データ,(2)若手研究者によるアジア・アフリカ諸国での長期フィールドワークに基づくデータ,(3)海外協力者が収集する関連データを用いて,行動の社会化,文法の身体化,制度の内面化という3つの観点から,子どもと養育者の相互行為を分析する. プロジェクトの2年目となる平成30年度は,まず事務補佐1名,オフィス・アシスタント2名を採用すると共に動画資料の収集・分析に必要な機器を購入した.また,別予算でカメルーンに赴いた研究協力者と本研究に関して収集した資料の集中的な分析を行った.日本国内では京都大学及び九州大学の「赤ちゃん研究員」のリストから協力者を募り,実験的観察法を用いて上記の3テーマに関する資料の収集・分析を進めた.またこれらの研究成果に基づいて,本プロジェクトが主催する「承認をめぐる間主観性の発達セミナー」という研究集会を代表者の本務校で3回開催した.さらにこれらの資料を用いて,ドイツのケルン大学,イギリスのポーツマス大学,デンマークのオールボルク大学で集中的に分析・考察を行った.これらと並行して,月に1回程度のデータセッションを行い,分析中の1次資料についての意見交換を行っている.平成30年度はとくに「言語の身体化」に焦点を当て,組織的な分析を行った.これに加えて,本プロジェクトの成果は,研究業績にあげた学術雑誌論文や学術図書の出版,国内外での各種学会・シンポジウム・講演等での発表,および本プロジェクト専用のHPを通じて公開している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成30年度は,事務補佐1名,オフィス・アシスタント2名を採用して動画資料の収集・分析に必要な機器の購入,及び研究資料の収集・解析を進めた.若手研究者がカメルーンでのフィールドワークを行い,目的に記した3つのテーマに関連した調査を行った.また,研究代表者の本務校で7回に渡るデータセッションを行って分析の妥当性を検討した.さらに,本プロジェクトで設けた「承認をめぐる間主観性の発達セミナー」という枠組みで,国内外から研究者を招いて本プロジェクトに関する議論を行った.このセミナーは,平成31年度以降も継続して行っていく予定である.さらに,これらの資料の収集・分析が予想以上に進んだため,ドイツのケルン大学,イギリスのポーツマス大学,デンマークのオールボルク大学に赴き,海外協力者と集中的に分析・考察を行った.また本報告書に記したように,研究の成果は学術雑誌論文や学術図書,各種学会・シンポジウム・講演等での発表として公表した.これらに加えて,本プロジェクト専用のHPを作成し,プロジェクトの進行や成果を随時公開している.したがって,本年度の目標として据えた課題は当初の計画以上に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
プロジェクトの2年目となる平成30年度は,交付額が当初の申請額より27%程度減額されたが,当初事務補佐員が行うことを予定していた作業の一部を研究代表者や研究協力者が分担して行ったり,当初予定していた若手研究者の長期フィールドワークを代表者の本務校の教育プロジェクトの資金を活用して行ったりして,研究費の節約に努めた.その結果,プロジェクトの基本方針を変えることなく,目標として据えた課題を当初の計画以上に進展させることができた.これに伴って予算の前倒し使用申請を行い,海外の研究機関で海外協力者と集中的に分析・考察などを行った.事業3年目となる平成31年度も引き続き,申請書に記した計画・方法に沿ってプロジェクトの運営を進める.ただし,平成31年度の交付額は当初の申請額より29%程度減額されるので,当初予定していた若手研究者の長期フィールドワークを代表者の本務校の教育プロジェクトの資金を活用して行うとともに別予算で来日している海外の研究者に「承認をめぐる間主観性の発達セミナー」等での研究協力を依頼するなどして予算の節約に務める予定である.
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Causes of Carryover |
分担者であるバーデルスキー博士(大阪大学)は,2017年度の分担金250千円を繰り越し,2018年度の分担金200千円とあわせて450千円を2018年度に使用する予定であった.しかし,成果発表のために予定にしていた「American Association for Applied Linguistics」学会(2019年3月9日~12日にアトランタで開催)への参加を本務校での業務が繁忙であったためとりやめた.これによりその分の旅費が抑えられ,126,067円の繰越金が生じた.この繰越金は2019年度の分担金200千円とあわせて,2019年度に予定している成果発表のための旅費と人件費などに使用する予定である.
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Research Products
(71 results)
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[Journal Article] Bringing the Real World Into Developmental Science: A Commentary on Weber, Fernald, and Diop (2017)2018
Author(s)
Morelli, G., Bard, K., Chaudhary, N., Gottlieb, A., Keller, H., Murray, M., Quinn, N., Rosabal-Coto, M., Scheidecker, G., Takada, A., & Vicedo, M,
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Journal Title
Child Development
Volume: 89
Pages: e594~e603
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Presentation] Speaker identification based on epistemic reasoning in children with/without ASD: a test with the “knowledge-based ventriloquism illusion” task2018
Author(s)
Hashiya, K., Kobayashi, H., Uto, Y., Yamate, A., Hakarino, K., Tojo, T., & Hasegawa, T.
Organizer
BCCCD19 Budapest CEU Conference on Cognitive Development
Int'l Joint Research
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