2006 Fiscal Year Annual Research Report
生命科学の時代が求める新材料-ソフト&ウェットマテリアルの創製
Project/Area Number |
18002002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
グン 剣萍 北海道大学, 大学院理学研究院, 教授 (20250417)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 英光 北海道大学, 大学院理学研究院, 助教授 (50282827)
田中 良巳 北海道大学, 創成科学共同研究機構, 特任助教授 (10315830)
角五 彰 北海道大学, 大学院理学研究院, 助手 (10374224)
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Keywords | ゲル / 生体軟組織 / 高強度 / 低摩擦 / 複合構造 / ソフト&ウェット / 生体材料 / 人工軟骨 |
Research Abstract |
1、高強度DNゲルの第一網目に、微粒子テンプレートを利用する方法や貧溶媒による相分離を利用する方法で、様々な不均一構造を導入し、その高強度に及ぼす効果を明らかにした。適度の第一網目の不均一性は、第二網目とのバランスを変化させることで、DNゲルをBrittle的な振る舞いからDuctile的な振る舞いまでに系統的に制御することに成功した。その際、DuctileのDNゲルがNecking現象を示すことを発見した。NeckingするDNゲルは、20倍までも伸びることを明らかにした。これは、ゴムや環動ゲル、NCゲルなど柔らかくて伸びる材料をさらに超える大変形に耐える新しいゲル材料となる。さらに、高強度DNゲルの破壊のメカニズムがゲルのNecking現象と密接に関連していることを見出した。DNゲルの高強度化は、局所的に効率的なNeckingによって、クラックの伝播を抑制し、エネルギーを吸収することで実現されている。このようなメカニズムを利用して、平成19年度は様々の生体高分子ゲルに応用展開する予定である。 2、ゲル摩擦におけるヒアロン酸(HA)の摩擦低減効果を調べ、HAの濃度や分子量が摩擦に及ぼす効果を解明した。さらに、界面滞在物質として界面活性剤の摩擦低減効果も解明した。その際に、ゲルの硬さや摩擦基板の親疎水性の効果などを解明した。 3、摩擦界面における潤滑層形成のメカニズムを研究するために、摩擦させながら、界面を直接観測するレオスコープ装置を独自に設計し、構築した。摩擦界面近傍の高分子の動的構造解析に特化するエバネセント波動的散乱装置を構築し始めており、平成19年度は完成予定である。 4、高強度DNゲルを様々の生体高分子ゲルに応用展開するため、DNゲルを大量で迅速に合成・測定・評価するシステムを構築している。平成18年度はゲルの合成は、従来の100倍まで上げることに成功した。
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Research Products
(29 results)