2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18002014
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河岡 義裕 The University of Tokyo, 医科学研究所, 教授 (70135838)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新矢 恭子 神戸大学, 医学部, 准教授 (90374925)
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Keywords | インフルエンザ / 抗ウイルス薬 / 薬剤耐性ウイルス / レセプター / ウイルス粒子形成 / オセルタミビル |
Research Abstract |
1.H5N1インフルエンザウイルスの鳥→ヒト及びヒト→ヒト感染に関わる要因の解析 ・正常ヒト気管支上皮(NHBE)細胞で継代し、NHBE細胞でよく増えるようになったH5N1ウイルス株では様々な変異が起きており、中でもHAのレセプター結合部位周辺に位置する134番目の変異が重要であることが明らかになった。また、この変異によりヒトの鼻腔上皮細胞でも増えやすくなることがわかり、ヒト間で伝播しやすくなる可能性が示唆された。 ・フェレットモデルを用いて、H5N1インフルエンザウイルスの病原性に影響する因子を解析した結果、HAタンパク質のレセプター結合能と、NS1タンパク質のインターフェロン拮抗作用が重要であることが明らかとなった。 2.抗インフルエンザ薬耐性ウイルス ・今年度、パンデミックが発生した。パンデミックウイルス(Pandemic(H1N1)2009)に罹患し、オセルタミビル治療を受ける患者について解析を行ったところ、オセルタミビル耐性のPandemic(H1N1)2009ウイルスが検出された。さらに、耐性ウイルスを分離することに成功した。今後、この耐性ウイルスについて解析を行っていく予定である。 3.粒子形成機構 ・インフルエンザゲノムの定量法について、8つのRNA分節を区別して定量する方法を確立した。また、インフルエンザゲノムの細胞内局在を可視化して解析した結果、分節により局在が異なることが明らかになった。
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Research Products
(24 results)