2006 Fiscal Year Annual Research Report
Rho GTPasesを介する細胞機能の時空間特異的制御と個体での役割
Project/Area Number |
18002015
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
成宮 周 京都大学, 医学研究科, 教授 (70144350)
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Keywords | Rho GTPase / アクチン / mDia / 細胞周期 / 細胞分裂 / ROCK / 微小管 / 細胞移動 |
Research Abstract |
本研究では、Rho GTPaseのエフェクター蛋白質であるmDiaの各種アイソフォームRNAiで枯渇させることによりそれらの細胞内での機能を、また、mDiaや別のエフェクター蛋白質ROCKの遺伝子を欠損させるとにより、コレラ蛋白質の固体での機能を解析した。 1.ラットC6グリオーマ細胞でmDia1をRNAiで枯渇することにより、Rho-mDia1経路が方向性をもった細胞移動で必須の働きをなしていること、これが、微小管を介するCdc42やApcの前縁への集積による細胞極性の決定とアクチンを介するSrcの接着斑への集積による接着斑の回転によるためであることを明らかにした。 2.Rho GTPasesの全メンバーを不活化するClostridium difficileのtoxinBを用い、Rho GTPaseが、HeLa細胞のG2/M進行で働いていること、その作用の一部は、中心体でPAKを活性化して、Aurora Aの活性化に寄与するためであることを、明らかにした。 3.mDia isoformsのRNAiを行うことにより、mDia1とmDia2が分裂期HeLa細胞のretraction fiber内のアクチン繊維上にあり、unconventional myosinの一つ、Myosin-X,と協調することにより、紡錘体の星状微小管を牽引して、分裂軸の決定を行っていることを、明らかにした。 4.ROCK-IとROCK-IIの一方がホモ欠損で他方がヘテロ欠損のホモ/ヘテロ(もしくはヘテロ/ホモ)欠損マウスについて解祈し、これが、胎生9.5日以降に死亡すること、これが、卵黄嚢に初発する血管形成不全によることを明らかにした。 5.mDia1欠損マウスを作出し、ホモマウスは、見かけ上正常に発育するが、Tリンパ球のリンパ節へのホーミング異常、ケモカインに対する遊走障害、TCR刺激に対する増殖不全などが見られ、免疫反応が障害されること、これが、刺激にたいするアクチン繊維の形成不全に由来することを明らかにした。
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