2007 Fiscal Year Annual Research Report
Rho GTPasesを介する細胞機能の時空間特異的制御と個体での役割
Project/Area Number |
18002015
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
成宮 周 Kyoto University, 医学研究科, 教授 (70144350)
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Keywords | Rho GTPase / mDia / ROCK / 細胞骨格 / 細胞分裂 / 細胞移動 / がん化 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、Rho情報伝達経路の細胞機能と個体での働きを、そのエフェクターであるROCKとmDiaの2つを中心に解析した。 1. 本経路の細胞周期進行での役割につき以下の結果を得た。 (1) Rho GTPasesが中心体でのPAKによるaurora kinase Bの活性化をおこし、G2-M期進行に働いていることを見出した(Mol Biol Cell.18,3752-3763,2007)。 (2) NIH3T3細胞の細胞質分裂でmDia2が分裂溝に局在し、ここでのアクチン重合を起こして、収縮環の構築と維持に働きいていることを明かにした(Mol. Biol. Cell, in press,2008)。 2. 間期細胞でmDia isoformのうちmDia2がimportin依存性に核移行していることを明らかにした(論文作成中)。また、Rho情報伝達経路がアクトミオシン系の制御を介して細胞核の形態維持をおこなっていることを示唆する所見を得た(解析続行中)。 3. mDia分子とliprinが物理的に結合すること、liprinは細胞内でmDia依存性のアクチン重合を阻害してRhoによる細胞骨格形成を調節していることを見出した(論文作成中)。 4. 新たにmDia2遺伝子欠損マウスを作出したほか、これまで樹立したmDia1欠損マウス、mDia3欠損マウスを解析して以下の結果を得た。 (1) mDia1がT細胞に存在し、ケモカインやTCR刺激によるアクチン重合を介してT細胞の移動と増殖を起こすこと、この機構がT細胞の胸腺からの出動と末梢リンパ臓器へのhoming、免疫反応の成立に働くことを明かにした(J. Exp. Med., 204,2031-2038,2007)。 (2) mDia1欠損マウスを用い、Srcによるガン化での役割を解析した(論文準備中)。 (3) mDia1欠損マウスとmDia3欠損マウスを掛け合わして、mDia1/mDia3のダブル欠損マウスを得、歩行障害、好中球増多、色素異常、矮小体型などの表現型を見出した(解析続行中)。
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