2008 Fiscal Year Annual Research Report
Rho GTPasesを介する細胞機能の時空間特異的制御と個体での役割
Project/Area Number |
18002015
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
成宮 周 Kyoto University, 医学研究科, 教授 (70144350)
|
Keywords | Rho GTPases / mDia / ROCK / アクチン / 収縮環 / 核輸送 / がん / 遺伝子欠損マウス |
Research Abstract |
Rho GTPaseは、アクチンと微小管の動態を制御して細胞の形態、運動、接着を調節している。本研究は、Rho GTPaseの下流で働くエフェクター蛋白質の細胞での機能と個体での機能と個体での役割を解析することで、Rho情報伝達経路の全体像を明らかにすることを目地としている。 本年度は、1. mDiaの3種のisoformの各々をRNAiで枯渇することにより、NIH3T3細胞の細胞質分裂でmDia2が特異的に分裂溝に存在し、アクチン形成を誘導することにより収縮環の形成と維持に働くことを明らかにした。2. mDiaの3種のisoformのうち、mDia2がimportin-α/β-とCRM1よりなる核輸送系により特異的に核への取り込みと核からの排出を受け、細胞核と細胞質の間をシャトルして働いていることを明らかにした。3. mDia1の細胞内でのアクチン線維形成を蛍光sepckle法でモニターすることにより、この活性化にはRhoによる活性化に加えて、細胞内のG-アクチン局所濃度の上昇が重要であることを見いだした。4. マウスの排卵に伴い卵細胞を取り囲む卵丘細胞がケモカインで刺激され、その下でRho-ROCK経路が働いてインテグリンと細胞外基質途の結合を強化することにより精子侵入を制御していることを見いだした。5. mDia1の欠損マウス由来のMEF細胞にts-v-Srcを感染させ、v-Srcによる細胞の悪性化と腫瘍形成にmDia1が働いていることを明らかにした。6. mDia1とmDia3の二重欠損マウスを作出し、その表現型を解析した。
|