2006 Fiscal Year Annual Research Report
恐怖や不安記憶の再現が海馬ニューロン活動と交感神経活動に及ぼす影響
Project/Area Number |
18019027
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
三木 健寿 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (80165985)
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Keywords | 海馬 / 脳血流量 / 脳血管抵抗 / 脳神経活動 |
Research Abstract |
睡眠レム期には記憶再生固定が行われ、それに伴い交感神経活動が乱れ、心筋梗塞や突然死の原因となっていることが示唆されてきた。記憶再生と交感神経活動の因果関係の解明は、心と体の統合不全の解明を試みるうえで意義がある。本研究の目的は、記憶の再生過程で、交感神経活動、さらに循環動態に与える影響を明らかすることである。そのため、ラットを使い、睡眠レム期の海馬ニューロン活動と交感神経活動および循環動態の因果関係を検討を試みた。 Wistar系ラットを用い、8点Micro-wire arrays電極を海馬CA1領域に留置した。また、ガラスファイバー製のレーザードップラーフロープローブを海馬CA1領域、同時に脳波、筋電図および心電図電極の留置、腹部大動脈にカテーテルを留置した。 結果、ラットの自由行動下におけるレーザードップラーフロープローブを用いた海馬CA1領域の血流量計測に成功した。海馬CA1領域血流量は、睡眠レム期に最も多く、ノンレム期に比較して26.4±2.2%(P<0.05)増加した。ついで、探索行動などをおこなうMoving期に12.2±1.6%(P<0.05,vs.ノンレム期)およびGrooming期に8.5±2.4%(Pく0.05,vs.ノンレム期)増加した。また、ノンレム期からレム期への移行時に、海馬CA1領域血流量は脳波theta/delta比および動脈圧の時間変化と相同していた。これは、睡眠レム期の記憶再生のプロセスは循環の変化を再現を伴うことを示すものである。一方、8点Micro-wire arrays電極による海馬CA1領域の神経活動の計測は、行動に伴うノイズが大きく、現在、ステンレススティールおよびタングステンを用い電極の形状および手術方法を検討中である。
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Research Products
(3 results)