2006 Fiscal Year Annual Research Report
フィラミン/FILIPの神経系形成に及ぼす働きについて
Project/Area Number |
18022017
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
佐藤 真 福井大学, 医学部, 教授 (10222019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 聖二 福井大学, 医学部, 講師 (10304065)
八木 秀司 福井大学, 医学部, 助手 (10303372)
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Keywords | アクチン / 細胞骨格 / radial migration / 大脳皮質 / 電位感受性色素 / 大脳皮質形成 / filamin / 細胞移動 |
Research Abstract |
我々は、形成期の大脳皮質脳室帯に発現する新規分子FILIPを同定し、FILIPがフィラミンAの分解を促進することで、脳室帯からの法線方向への細胞移動開始を負に制御する新しいコントロールの仕組みを見いだした。さらに、多くの細胞は法線方向への移動途中の中間帯にて多極性から双極性へとその形態を変えるが、その形態変化にはフィラミンAの量の変化が重要な役割を担うことを報告した。このようにFILIPとフィラミンAは大脳皮質脳室帯からの移動開始および移動途中の細胞制御に関わり、大脳皮質形成に重要な役割を担う。本研究は、以上の背景の元、大脳皮質におけるFILIPのさらなる機能解明を、FILIPノックアウトマウスの変異とその表現型の解析や関連するさまざまな方法で進める目的で実施した。その結果、以下の結果を得た。 フィラミンの活性調節系について (A)フィラミンは細胞膜近傍と膜近傍以外の細胞質にて、その働きが異なることが報告されているが、同分子の細胞内での局在をコントロールする分子を同定し、同分子がフィラミンAの細胞内局在を担い、さらに神経細胞移動のコントロール分子として働くのみならず、一般的に膜の脂質(特にフォスファチジルイノシトール3リン酸)に応じ、フィラミンを移動先端に運ぶことで、ラメリポディアの形成促進作用があることを見いだした。 (B)FILIPノックアウトマウスの解析を進めた。あわせて、LacZノックインマウスにおいて、FILIPの発現部位を神経系を含む全身で検討し、成体大脳皮質の辺縁系での発現、および心臓での強い発現を観察した。行動解析を含む、機能解析は現在実行中である。
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Research Products
(2 results)