2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18031002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
出村 誠 北海道大学, 大学院先端生命科学研究院, 教授 (70188704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相沢 智康 北海道大学, 大学院先端生命科学研究院, 助教授 (40333596)
河野 敬一 北海道大学, 大学院理学研究院, 教授 (10136492)
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Keywords | NMR / 立体構造 / タンパク質 / アポトーシス |
Research Abstract |
本研究ではαラクトアルブミンのフォールディングに関する基礎データを活かし、水溶性タンパク質のフォールディング挙動と、その構造中間体が示す細胞膜結合機能との関連を分子レベルで解明することを目的としている。今年度新たに以下の成果が得られた。 1.本研究ではαラクトアルブミンとオレイン酸の混合溶液に熱処理を施すことで複合体が得られること、また酸性Molten Globule状態のαラクトアルブミンとオレイン酸の混合溶液から複合体が得られることを発見し、複合体形成工程がより簡便になった。これらの手法を用いて調製した複合体について腫瘍細胞を用いたアポトーシスの活性評価を行った。トリパンブルー及びMTS cell proliferation assayの結果、アポトーシス誘導後6時間以内にL1210細胞の約90%が死滅することが明らかになった。 2.酸処理法で得られた脂肪酸結合型ウシαラクトアルブミンのコンフォメーションを測定した。脂肪酸結合型ウシαラクトアルブミンの1H NMRスペクトルおよび15N HSQCスペクトルの化学シフトパータベーション実験では、脂肪酸結合による化学シフト変化はαラクトアルブミンのαドメインで大きく、しかもβドメイン側に面するアミノ酸残基であることがわかった。この結果は一次構造がわずかに異なるヒトとウシのαラクトアルブミンのαドメインとβドメインを入れ替えたキメラタンパク質の構造安定性と一致した。 3.酸処理法で得られた脂肪酸結合型αラクトアルブミンは腫瘍細胞L1210のアポトーシスを誘導すると同時に、DMPCリポソームの脂質二重膜破壊とよい相関があった。すなわち、脂質二重膜破壊活性が高い複合体ほどアポトーシス誘導活性が高かった。
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Research Products
(7 results)