2006 Fiscal Year Annual Research Report
イオン液体の炭素ナノ細孔との相互作用と電気化学吸脱着容量
Project/Area Number |
18045005
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
白石 壮志 群馬大学, 大学院工学研究科, 助教授 (40292627)
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Keywords | イオン液体 / 電気化学 / キャパシタ / 電極 / 炭素材料 / ナノ細孔 |
Research Abstract |
イオン液体は、高い導電性に加え、不揮発性・難燃性を有するため、二次電池やキャパシタなどの蓄電デバイスの電解質として注目されている。一方、芳香族環を有するイオン液体はカーボンナノチューブと強い相互作用を示し、ゲル状炭素電解質ナノコンポジットを形成することが知られるようになった。このように、炭素六角網面(グラフェンレイヤー)と芳香族イオン液体との相互作用が注目されている。本研究ではこれを踏まえ、炭素六角網面を細孔側壁とする炭素ナノ細孔体へのイオン液体の電気化学的な吸脱着特性に注目することで、カーボンナノスペース中のイオン液体の物性の一端を明らかにする。さらに、得られた知見を元に、イオン液体を用いた超高容量カーボン系電気化学キャパシタの開発指針を得ることを最終目的とする。 平成18年度では種々の細孔構造・結晶構造を有する炭素ナノ細孔体を調製し、イオン液体中における電気化学容量の評価を行った。その結果、フラーレンスートならびに多孔性カーボンナノファイバが、従来の活性炭にはない優れた電気化学容量をエチルメチルイミダゾリウム系イオン液体中で示すことが明らかになった。ナノ細孔のサイズならびに電解質イオンの移動パスの長さがイオン液体中における電気化学容量の発現には重要であることが分かった。また、電気化学水晶振動子マイクロバランス法(EC-QCM)をフラーレンスートならびに多孔性カーボンナノファイバに適応することができた。EC-QCMではイオン吸脱着に伴う電極重量変化を検出できるので、イオン吸脱着の機構解明手段にEC-QCMが有効であることを示すことができた。
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Research Products
(2 results)