2006 Fiscal Year Annual Research Report
アンモニウム型イオン液体を反応場とした有機ラジカル反応の研究
Project/Area Number |
18045008
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
東郷 秀雄 千葉大学, 理学部, 教授 (60217461)
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Keywords | 1,3-ジハロプロパン / シクロプロパン / 亜鉛 / ラジカル / 3-exo-tet環化 / イオン液体 |
Research Abstract |
本研究の目的は、イミダゾール型及びアンモニウム型イオン液体反応場の中で、中性の活性種である炭素ラジカル(求核的ラジカル)を発生させ、イオン液体という高極性・高粘性反応場の中での中性炭素ラジカルの化学的挙動を精査し、一般的な有機溶剤との反応性の相違を比較するとともに、その特性を合成化学的に反映させることにあります。先に私どもは金属亜鉛存在下で1,3-ジヨードプロパン類のエタノール溶液を加熱すると、対応するシクロプロパンを簡便且つ高収率で生じることを報告した。しかし、この反応は1,3-ジブロモプロパンでは反応性が低下し、1,3-ジクロロプロパンではシクロプロパンを殆ど生成しない。そこで、この簡便で有益なシクロプロパン環構築反応を種々のイオン液体で検討した結果、イミダゾリウムNTf_2塩、イミダゾリウムPF_6塩、及びイミダゾリウムOTs塩では殆ど反応しないが、ミダゾリウムCl塩及びイミダゾリウムBr塩のイオン液体を用いると、同様のシクロプロパン化反応が1,3-ジヨード、1,3-ジブロモ、及び1,3-ジクロロプロパン何れの基質においても、効率的に進行することが分かった。つまり、イオン液体を用いることにより、金属亜鉛から1,3-ジハロプロパンへの電子移動が促進され、不活性な1,3-ジクロロプロパンでも効率的に反応することが分かった。また、3-ヨード-1-プロピルスルフィドを用いた反応から、この反応がラジカル3-edo-tetモードで進行することを間接的に証明した。
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Research Products
(6 results)