2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18048013
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
秋吉 一成 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (90201285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 展行 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (00313263)
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Keywords | 人工細胞 / 膜タンパク質 / リポソーム / シャペロン / 無細胞タンパク質合成 |
Research Abstract |
本研究では、細胞膜表面で物質の認識、透過、情報伝達に関わる膜タンパク質を人工細胞モデルとしてのリポソーム系に効率よく組み込む新規シャペロン技術を確立し、膜タンパク質研究やバイオテクノロジー・医学への応用を図ることを目的とする。このために本年度においては2つの新規な手法を用いて膜タンパク質のリポソーム膜への組込みを試みた。 まず、無細胞タンパク質合成系にリポソームを共存させることで、ある種の膜タンパク質の発現と同時にリポソームヘの再構成、さらにリポソームを集めることで発現した膜タンパク質のみからなるリポソームが調製(精製)しえるシステムの開発に成功している。今年度は膜タンパク質としてコネキシン用い、無細胞タンパク質合成系での人工細胞リポソームヘの膜タンパク質の組込み挙動とコネキシンの機能発現について検討した。コネキシンの発現をSDSゲル電気泳動およびコネキシン抗体を用いてウエスタンプロット法により確認することができた。現在、発現条件やリポソームの組成を変えて条件の最適化を図っている。次にコネキシンを発現させた生細胞と蛍光プローブを内包したコネキシン組込みリポソームとを相互作用させ、蛍光プローブの細胞内への移行を蛍光顕微鏡で直接観察を行ったところ、細胞への物質移行が起こることを確認できた。 一方で、ホスホリラーゼにより酵素重合可能な界面活性剤を用いてリン脂質との混合ミセルを形成させ、ここにこの界面活性剤により可溶化したバクテリオロドプシンを添加して酵素重合を行うことで、バクテリオロドプシンを有したりポソーム膜(〜150nm)の再構成に成功し、さらにそのプロトンポンプ活性を確認した。 これら2つの手法はいずれも膜タンパク質の再構成・機能解析に有用なツールとなり得るであろう。
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