2006 Fiscal Year Annual Research Report
グルタミン酸トランスポーターの発現細胞による機能的差異
Project/Area Number |
18059009
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
田中 光一 東京医科歯科大学, 大学院疾患生命科学研究部, 教授 (80171750)
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Keywords | 興奮毒性 / グルタミン酸 / トランスポーター / 網膜 / 神経細胞死 / 酸化ストレス / アポトーシス |
Research Abstract |
グルタミン酸トランスポーターは、細胞外のグルタミン酸を細胞内に輸送するトランスポーターであり、現在まで5種類のサブタイプが知られている。各サブタイプをHEK細胞などに発現させ、グルタミン酸の輸送活性を解析すると、グルタミン酸の取り込み特性に大きな差は認められない。しかし、各サブタイプの個体レベルでの機能には、大きな違いがある。このような機能的多様性の機序として、トランスポーターが発現する細胞の環境(広義のトランスポトソーム)の違いが考えられる。最近申請者は、グルタミン酸トランスポーターGLAST、 EAAC1欠損マウスの網膜において、神経節細胞が変性していくことを見いだした。しかし、両欠損マウスでは、神経変性の程度・時間経過に大きな違いがある。網膜において、GLASTはミューラー細胞(ダリア細胞)に、EAAC1は神経節細胞に発現している。本研究では、同じグルタミン酸輸送活性を持つGLAST, EAAC1の欠損が、どうして異なった表現型を示すのか、そのメカニズムを解析し、発現する細胞がトランスポーターの機能に及ぼす影響を細胞・器官・個体レベルで明らかにする。本年度は、GLAST欠損マウスの神経変性にはグルタミン酸の興奮毒性と酸化ストレスの両者が関与していることを明らかにした。また、EAAC1欠損マウスの神経変性には酸化ストレスのみが関与していることを明らかにした。今後は、これらの違いがどのような分子メカニズムで起こるか明らかにする予定である。
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Research Products
(6 results)