2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18066008
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 重樹 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 教授 (20113425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 武志 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教 (30397583)
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Keywords | 化学反応 / ダイナミックス / 溶液 / 励起状態 / 酵素反応 |
Research Abstract |
本研究課題に関連して、(1)RISM-SCF法についての新しい方法の開発、(2)溶液内化学反応の機構とダイナミックス、(3)QM/MM法を用いた複雑分子系の自由エネルギー面上での反応経路の決定法の開発と酵素反応への応用、および(4)charge response kernel法を用いた分極可能力場モデルの開発と分子シミュレーションについて研究を行った。(1)では、先ず、溶質・溶媒間の短距離相互作用を記述するため、溶媒分子の相互作用点上に有効ポテンシャルを定義し、それを用いて溶質・溶媒電子間交換相互作用を表す方法の開発を行った。更に、3次元RISM-SCF法を用いて水溶液中でのpyrroleとindoleのRydberg励起状態のエネルギー準位に対するに対する溶質・溶媒電子間の交換相互作用の役割について解析を行った。(2)では、溶液内でのproton-coupled electron transfer反応の機構とダイナミックスを取り扱うため、反応の自由エネルギー面を溶媒からの外部ポテンシャルを用いて表現する方法の提案を行い、反応速度を量子動力学法により評価する方法の定式化を行った。この方法をアセトニトリル中でのubiquinolとphenoxyl radical間の反応に適用し、異常な速度同位体効果を示す理由について考察を行った。(3)の課題では、chalcone isomeraseの酵素反応を取りあげ、実験的に示唆されている2つの反応経路を比較し、活性化エネルギーを見積もった。(4)では、MP2法に基づくCRKモデルを構築する方法を開発し、アセトニトリル、メチレンクロライド、アセトン液体の低周波数領域での赤外とラマンスペクトルを分子動力学法により計算し、スペクトルの形状を決める上での電子分極の役割について論じた。
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Research Products
(3 results)