2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18066016
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
中井 浩巳 Waseda University, 理工学術院, 教授 (00243056)
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Keywords | 核・電子軌道理論 / 非経験的分子動力学法 / エネルギー密度解析 / 量子効果 / 高速化 / 高精度化 |
Research Abstract |
本研究では, (1)電子状態理論と分子動力学(MD)法を組み合わせた非経験的分子動力学(AIMD)法を方法論的に発展させ, 応用可能な新しい研究対象を提供すること, (2)原子核と電子の波動関数を同時に求める理論の拡充による原子核の量子効果を考慮したダイナミックスの発展を目指してきた。本年度は(A)AIMD法と組み合わされる大規模電子状態理論計算の高精度化を行った。具体的には昨年度までに開発した分割統治(DC)電子相関計算手法をより高精度な1・2電子励起結合クラスター(CCSD)法に適用した。また, (B)AIMDに代わる量子ダイナミックス手法として実時間発展TDHF計算などにも取り組んだ。これにより励起スペクトルの時間変化を追跡するとともに, 分子間のエネルギー移動のメカニズムを明らかにした。(C)NOMO法に関しては電子一核相関をあらわに取り込むことで計算精度を大幅に向上させたECG-NOMO法を開発した。さらに実在系に対する様々な応用計算を想定しているため, 計算結果の効果的な解析手法の充実も同時に検討した。その柱となるのが, 我々が先に提案したエネルギー密度解析(EDA)で, 本年度もいくつかの理論的な発展と応用を行った。具体的には, (D)平面波(PW)基底に対するEDA(PW-EDA)を開発し, 第一原理プログラムPHASEに実装した。従来のガウス基底にくらべPW基底は局所的な解析が困難であったが, 本手法により効果的な解析が可能となった。
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Research Products
(50 results)