2006 Fiscal Year Annual Research Report
古代中国人類集団の遺伝的多様性とその変遷ならびに生活史の解明
Project/Area Number |
18107007
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
植田 信太郎 東京大学, 大学院理学系研究科, 教授 (20143357)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒崎 久仁彦 東邦大学, 医学部, 教授 (60240701)
米田 穣 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (30280712)
太田 博樹 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助手 (40401228)
|
Keywords | 中国 / 金沙遺跡 / 遺伝的多様性 / 古人骨 / 炭化米 / 古代DNA / コメ / イネ |
Research Abstract |
2500年前より古い時代の古代中国における人類集団の遺伝的構成は2000年前(漢代)以降と大きく異なっていることを示した、我々自身による研究成果を一段と発展させるために、古代中国人類集団の遺伝的多様性とその変遷を明らかにするための古DNA分析に必要な遺跡出土古人骨の収集をおこなった。当初は中国河南省の商代前期(約3500年前)の偃師遺跡を予定していたが、古代中国における重要な地理的位置にある四川省での緊急調査が可能となり、同・金沙遺跡(約3000年前の古蜀国の都の跡)からの出土古人骨を収集した。これまでに、DNA分析のための前処理としての古人骨試料のクリーニング作業を進めると共に、前処理を終えた古人骨試料から順次、DNAの抽出と精製をおこなった。また、遺跡から出土した動植物遺骸のDNA分析をおこなうことにより、古代中国の人々の生活を支えた動植物の様態を明らかにするために、動植物遺骸の収集をおこなった。しかし、動植物遺骸DNAデータを解釈するためのレファレンスデータとしての現生種の遺伝的多様性に関するデータが極めて貧弱である。そこで、主要穀物であるコメに関して、栽培種ばかりでなく野生の現生イネを用いてOryza属の遺伝的多様性に関する実験ならびにバイオインフォマティックス分析をおこなった。Oryza属に属する20種47コレクションの葉緑体ゲノム情報解析により、Oryza sativa japonica, O.s.indica, Oryza nivaraの分子系統分析に有用な、すなわち、遺伝的多様性に富むと同時に、それぞれの系統に独立な変異部位であるインフォーマティブ・サイトの抽出に成功した。
|
Research Products
(1 results)