2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヌクレアーゼ抵抗性修飾核酸を搭載した多機能性ナノ構造体による新規核酸医薬の創製
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18109001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松田 彰 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (90157313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原島 秀吉 北海道大学, 大学院・農学研究院, 教授 (00183567)
南川 典昭 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス, 教授 (40209820)
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Keywords | ヌクレアーゼ抵抗性核酸 / 2'-O-メチル-4'-チオリポヌクレオシド / SNALP / MEND / siRNA / miRNA / コレステロール / Apo-B |
Research Abstract |
Sense鎖の両末端5ヌクレオチドを2'-OMe4'-thio体に置換した21mer siRNA(MeS)(ApoB標的)および,対照として未修飾(U),天然型2'-OMe体(MeO)修飾,スクランブル体(S)のsiRNAを肝臓指向性SNALP(リポソーム)に搭載し(1.25mg siRNA/Kg)C57BLマウスに尾静脈注射し,48時間後ApoB mRNA量および,血中コレステロール量を測定した。Uは約40%のノックダウン率を示したが,MeSおよびMeO修飾siRNAは約80%のノックダウン率を示した。この時,修飾siRNAは血中コレステロール量も有意に減少させた。一方,自然免疫の活性化によるIL-6およびIFN-α量は,投与後6時間でスクランブルおよびUでは高値を示したがMeSやMeO修飾siRNAでは極めて低値であった。従って,MeSを含むsiRNAはin vitroのみならずin vivoでもmRNAのノックダウン活性を示し,自然免疫を活性化しないことが明らかになった。一方,多くのがん細胞で過剰発現しているmiR-21(マイクロRNA)に対するアンチセンス分子(AMO)を未修飾(U),2'-OMe体(MeO)または4'-チオ-2'-OMe体(MeS)フル修飾22merを合成し,HeLa細胞を用いて機能抑制効果とその持続性を測定した。その結果,MeS-AMOは経時的に抑制効果が増強し,48時間後でもMeO-AMOの約4倍強い活性を示した。リポソームがエンドサイトーシスで細胞内に取り込まれた後,核酸医薬が細胞質へ脱出できなければエンドソーム中で分解される。そこで,新規pH応答性脂質YSK05を開発しMEND脂質膜に組み込み,従来のカチオン性MENDとsiRNAのノックダウン活性を比較したところ,YSK05を含むMENDは約100倍高い活性を示した。
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Research Products
(8 results)